トップ > 中日新聞しずおか > 静岡けいざい > 記事一覧 > 2018年の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡けいざい

舘山寺で茶歌舞伎体験会 浜松・村松商店

茶歌舞伎で答えを発表する村松商店の村松正浩専務=浜松市西区の舘山寺で

写真

 茶葉の生産から製茶、小売りまでを手掛ける村松商店(浜松市西区)が、お茶を飲み比べて銘柄を当てる遊び「茶歌舞伎」の普及に取り組んでいる。茶葉の消費が低迷する中、日本の伝統や茶の魅力を広める手段として活用。目を付けた舘山寺温泉(同)のホテルが九月七日から、団体向け体験プランの販売を始める。

 やぶきた、玉露、さやまかおり、さえみどり、抹茶入り玄米−。七月下旬、温泉街にある舘山寺であった茶歌舞伎の体験会。参加者が五種類の茶葉の香りをかいだ後、お茶の飲み比べが始まった。

 村松商店の村松正浩専務(34)は「必ず一つは当たるように玄米茶を入れました」と笑顔。銘柄ごとに花、鳥、風、月、客の記号が指定してあり、一杯飲むごとに予想した銘柄の記号のシールを台紙に貼り、最後に答え合わせをする。参加者は何度も香りをかいだり、お茶を舌で転がしたりして真剣に味わった。

茶葉の香りを覚える体験会の参加者たち=浜松市西区の舘山寺で

写真

 茶歌舞伎は、鎌倉時代末期に茶の栽培や製造方法とともに中国から伝わったとされる。南北朝から室町時代にかけて文化人の間で優雅な遊びとして流行。庶民にも広がり、やがて賭け事の性格を帯びるようになった。屋敷まで賭ける人も現れ、室町幕府が混乱を案じて禁止した歴史がある。

 村松専務は京都の老舗茶店で修業していたとき、茶の歴史を調べる中で茶歌舞伎を知った。「お茶を真剣に飲んでもらえる。人を熱狂させる魅力もある」と、販売手法の一つになると直感した。

 二〇一一年に実家の村松商店に戻ると、自社で五品種を栽培しているものの、主流のやぶきたを買い求める客が多かった。「いろいろな品種を飲んだ上で、お気に入りのお茶を決めてほしい」と、一五年から茶歌舞伎の体験会を常連客向けに店で始めた。

 一六年には、若手農家らが開いた浜名湖アグリフォーラムで、留学生に茶歌舞伎を体験してもらった事例を発表。訪日外国人の誘客に取り組む観光業者や行政関係者の評価を受け、観光客向けの体験会も開くようになった。

◆座禅とセット企画

 遠鉄観光開発(西区)が運営する舘山寺温泉の「ホテル九重」は、県やJR各社が来年展開する観光誘致事業「静岡デスティネーションキャンペーン」の商材として茶歌舞伎に着目。村松商店と連携し、舘山寺での座禅とセットにした体験プランを企画した。

 一泊二食付きで一人一万九千五百円(税別)で販売する。期間は来年二月下旬までの平日。十一人以上の団体が対象で、初日のホテル到着後に体験する。国内の団体客のほか、台湾や中国からの訪日客もターゲットにしている。

 体験プランでも茶歌舞伎の案内役を務める村松専務は「掛川に比べて規模は小さいけれど、浜松も日射量が多く味の濃いお茶ができる。ブランドだけで判断せず浜松産も飲んでもらう機会にしたい」と意気込む。

(山田晃史)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索