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静岡けいざい

県ブランドニジマス 食用カビで発酵熟成

◆県水産技術研が開発

酒のつまみとして提供が始まった「ふじ紅雪」=東京都千代田区で

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 食用カビを使って県のブランドニジマス「紅富士(あかふじ)」を発酵熟成させる技術を県水産技術研究所(焼津市)が開発し、八月から東京などの飲食店で提供している。チーズやかつお節など食用カビを使った食品は多いが、同研究所によると加熱していない魚肉を食用カビで熟成させた食品は全国で初めて。「日本酒だけでなくワインにも合う」と左党に評判だ。

 同研究所主任研究員の山崎資之(もとゆき)さん(34)によると、牛肉など畜肉を使った乾燥熟成商品はあるが、生で食べる魚肉でできないかと二〇一五年にマグロを材料に研究が始まった。カマンベールチーズの熟成に使われる「ペニシリウム・キャンディダム」という食用カビの粉を吹き付けて低温乾燥機で二〜三週間寝かせる。見た目の赤色を重視するため材料をニジマスに替え、二年がかりで商品化にめどを付けて昨年五月に特許を出願した。熟成の温度は「企業秘密」という。

 カツオやイカの塩辛、珍味で知られる静岡県水産(焼津市)が製造し、「ふじ紅雪(こうせつ)」との名で駿河屋賀兵衛(かへい)(富士市)が東京・秋葉原と川崎市で運営する居酒屋でメニューに加えた。ニジマスのうま味成分が凝縮され、歯応えのある生ハムのような食感でかむごとに味が深くなる。同社取締役の渡辺悠(ゆう)さん(41)は「紅富士は富士山の伏流水で育てた静岡の名品。お客さんには魚のうま味がしっかりしていると評判です」と話す。

 県によると、一六年の全国のマグロ類缶詰(ツナ缶)の生産量約二万五千三百トンのうち、県は98・6%を占め一位。水産試験場(現在の水産技術研究所水産試験場)が日本で初めて試作したことがツナ缶のルーツだ。山崎さんは「赤い色を保つ研究を進め、マグロでも商品化したい」と意欲を燃やす。

(五十住和樹)

 

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