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静岡けいざい

写真から立体画像 浜松・アールテックが技術開発

写真から復元した名古屋城本丸御殿の欄間の立体模型を見せるアールテックの小杉隆司社長=浜松市東区で

写真

 システム開発のアールテック(浜松市東区)が、ゼネコンの安藤ハザマ(東京)と共同で、写真を基に歴史建築の欄間の3Dモデル(立体画像)を制作する技術を開発した。写真や平面図しか残っていない文化財の復元作業を迅速、効率化できる。今年完成した名古屋城本丸御殿(名古屋市)の欄間の復元で試験的に使われた。

 コンピューターで立体物を精密に描けるアールテック独自の三次元画像処理ソフトを活用。本丸御殿の欄間を表と裏から撮った二枚の古い写真を基に、立体画像の制作を試みた。

 写真では側面の構図しか分からないため、上や下からの構図は、時代考証の専門家や経験豊富な彫刻職人の意見を聞きソフトに反映させた。こうして作った立体画像と、画像を基に3Dプリンターで制作した立体模型は、実際の復元時に参考資料として活用された。

 従来、写真しか残っていない歴史建築の欄間の復元は、彫刻職人が写真のひずみを補正しながら実物大の絵を描き、木板に転写して彫っていた。写真で分からない部分は、専門家の意見や職人の推測を交えて創作するため、関係者が一堂に会して検討を重ねる必要があった。作業が進んでから修正の指摘を受けると、一から作り直さなければならない難点もあった。

 今回の技術開発により、専門家や職人が実際に集まらなくても、インターネット会議などで意見を聞きながらソフト上で何度でも修正が可能になる。さらに、本丸御殿の欄間のように、立体画像とセットで立体模型を作れば、彫刻職人は完成形を想像しやすくなり、高い精度で復元作業が進められるという。

 アールテックの小杉隆司社長(66)は「欄間などの木彫だけでなく彫金、石像などにも使える。写真などしか残っていない文化財の復元に積極的に活用したい」と話す。

(伊東浩一)

 

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