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しずおか蹴球伝 王国の歩み

紡がれる闘魂 清水東(3) 文武両道の灯を再び

清水東高の監督を21年間務め、全国の強豪校に導いた勝沢要さん=静岡市清水区で

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 清水東高は、勝沢要が二十一年間、監督を務め、全国有数の強豪校となった。藤枝東高全盛期に、浜名高や清水東高が打倒藤枝東を合言葉に闘志を燃やし続けたように、今度は追われる立場となった。それは「サッカー王国静岡」をさらなるレベルアップに導いた。

 清水商業高や東海大一高が、打倒清水東を旗印に相次いで全国高校選手権で優勝を飾った。清水東は勝沢の後任に教え子の膳亀信行が監督に就任、伝統のオープン攻撃に磨きをかけた。一九九一(平成三)年には静岡で開かれた全国高校総体で、東海大一高との史上初の同県決勝を2−1で制し優勝を果たした。

 勝沢から継承された「闘魂」の思いを胸に、ワールドカップ(W杯)の大舞台に立つ日本代表選手も続々と生まれた。九八年フランス大会には、DF相馬直樹とDF斎藤俊秀。二〇〇二年の日韓大会にはFW西沢明訓。〇六年ドイツ大会には、FW高原直泰。一〇年の南アフリカ大会と、一四年のブラジル大会にはDF内田篤人。日本が出場したW杯五大会全てに選手を送り出した。

 地元の清水エスパルスには、Jリーグ参入時からFW長谷川健太、MF大榎克己、DF堀池巧の「清水東三羽がらす」が入団。清水のサッカーを大きく盛り上げた。

 Jリーグ発足の陰で、高校サッカーも変化を余儀なくされた。優秀な中学生にとって、高校年代はJリーグの下部組織でプレーするという選択肢ができたからだ。清水東高は一九九〇(平成二)年度の全国高校選手権以来、全国出場から遠ざかっている。

 清水エスパルスは来季、J2に降格する。清水のホームゲームのシーズンシートを購入、定期的に清水の試合を観戦している勝沢は「清水発足当時は、市民球団として多くの地元の人たちに愛されてきた。しかし、その後、優秀な選手を地元から輩出することができず、苦しんでいる」と指摘する。さらに「清水東高から文武両道の灯が消えている」とも。

 清水東高が植え付けた「闘魂」の思いはこの後、後輩たちが引き継ぐことができるのか。

=文中敬称略

 

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