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静岡連載

平成人<11> ソロアーティスト DJみそしるとMCごはんさん

DJみそしるとMCごはん 28歳 平成元年生まれ

料理をテーマにラップを歌うDJみそしるとMCごはん=東京都品川区のソニー・ミュージックアーティスツで(斉藤直純撮影)

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◆皆が思うことを歌に

 ♪「おいしいねって笑い合えたなら イッツ・コメニケーション」

 ♪「あの素晴らしい味をもう一度」

 料理のレシピや、料理にまつわる情景を音楽のラップに乗せて歌うのは、「DJみそしるとMCごはん」の名前で活動する二十八歳の女性ソロアーティスト。愛称「おみそはん」。NHK・Eテレの子ども向け番組「ごちそんぐDJ」の司会をしていることもあり、子どもから大人まで幅広いファンの支持を集める。

 御殿場市出身。地元の中学、高校に通っていたころは、吹奏楽の部活に取り組む日々。遅い時間に帰宅して、母が作ってくれた食事を食べながら、その日のことを語り合うのが習慣だった。「母の手作りのごはんがコミュニケーションツールになった」と振り返る。好きな食べ物は、芸名にもなっている「ご飯」。おみそはんは「白米好きは日本人のDNAに刻み込まれてると思う。ご飯のない人生なんて考えられない」と力を込める。

 料理や食べることが好きで、女子栄養大栄養学部(埼玉県)に進学。そこで取り組んだ卒業研究で、料理の手順をラップに乗せて歌った。

 ラップは、歌詞の韻を踏みながら即興的に歌う歌唱法。アメリカ発祥のヒップホップ文化の要素の一つとされている。日本では一九九〇年代、「スチャダラパー」「RHYMESTER(ライムスター)」「電気グルーヴ」といったアーティストがヒット作を相次いで発表し、広く知られるようになった。スチャダラパーの楽曲は、子ども向けテレビ番組の主題歌にもなり、おみそはんも子どものころから耳にしていたという。

 「レシピの本を見るよりも、歌ったほうが覚えやすくて便利」と、ミュージックビデオを同級生らと自主制作。動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップした。

 それが音楽関係者の目に留まり、デビューが決まった。「いきなりのことでびっくりしたけれど、当時は怖いもの知らずだった」。二〇一三年、一年間務めた食器メーカーを退職し、本格的に音楽の世界へ飛び込んだ。

 デビューから二年間は、レシピを歌った曲を中心に発表。一五年のアルバム「ジャスタジスイ」で、学生時代一人暮らしをして初めて自炊した自らの経験を歌った。ファンからは「自分の自炊経験と重なって共感できた」と感想が多く寄せられた。「自分の感じていることを歌って、それが受け入れられてうれしかった」と話す。最近は、よりメッセージ性の強い楽曲が増えている。最新アルバムにはカバー曲を含め、「米」をテーマにした全八曲を収録した。

 「料理という自分の個性は生かして、これからも皆が思っていることを歌にできたら」。今年の夏には、デビュー五周年を迎える。「せっかく五周年なので、五種類の調味料の『さしすせそ』で作品を作ってみたい」と言う。まだ構想段階だが「食材ではなく味をテーマにしたい」と新境地の開拓を目指している。

取材・瀬田貴嗣(平成2年生まれ)

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