トップ > 静岡 > 地域特集 > 静岡連載 > 記事一覧 > 2018年の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡連載

浜松から平昌へ 伊藤亜由子<5> 高校の恩師 松本憲雅さん

◆勉強でも ここぞの力

伊藤亜由子選手から寄贈されたバンクーバー五輪とソチ五輪のユニホームを見せる松本憲雅さん=浜松市北区の浜松工業高で

写真

 上位に食い込んでくれ−。浜松市北区の浜松工業高で十五年前、繊維システム科三年の担任だった松本憲雅(のりまさ)さん(50)は祈っていた。伊藤亜由子選手(31)にとって、トヨタ自動車への推薦枠の懸かった一学期の期末試験。それまで彼女の成績は、クラス平均の少し下だったが、努力の成果で一位に。松本さんは「ここぞという時の集中力はすごい」と舌を巻いた。今でもそれは変わらないと感じる。

 シーズン中の三学期は合宿や大会が多く、休みがちになったが、トヨタ自動車からは、学校で一定の成績を収めるよう求められた。部活にない競技ゆえ、同科長だった宮下幹弘副校長(58)も「正直、厳しい目で見る教員もいた」と明かす。

 同科は三学年とも一クラスで四十人ほどだった。伊藤選手は授業で寝ることなく勉強し、休み時間には友だちと談笑した。松本さんは「周りが自分からサポートしたくなるような人の良さがあった」と振り返る。クラスメートは伊藤選手にノートを貸したり、授業の内容を教えたりしていた。

 二年の時、世界ジュニア選手権の3000メートルリレーで三位に入り、全校生徒の前で表彰された。スケートについてよく分かっていなかった生徒や教職員からも「世界で銅メダルはすごい」と感嘆の声が漏れた。

 伊藤選手が週三回名古屋で出稽古していたことを最近知った松本さん。「自分から苦労を語らないからこそ、ファンも増える」と語る。昨年末の全日本選手権も、ラストチャンスで代表入りを果たした。「最後に結果を出すのが亜由子ですから」。そう信じている。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索