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静岡連載

浜松から平昌へ 伊藤亜由子<3> 最初の指導者 斉藤三夫さん

◆楽しげな姿に感服

昔の写真を見ながら伊藤亜由子選手の思い出を語る斉藤三夫さん=浜松市東区の居酒屋「ちんちら」で

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 「吹っ切れた良い表情だった。きつい思いをたくさんしてきたとは思えない」。浜松市東区で居酒屋「ちんちら」を経営する斉藤三夫さん(64)は、自分の店に伊藤亜由子選手(31)が訪ねてきた昨年末を振り返った。三度目の五輪代表入りを伝えに来たという。斉藤さんは「浜松スピードスケートクラブ」の創始者で、小学生だった伊藤選手を最初に教えた。

 元スピードスケート選手の斉藤さん。トヨタ自動車で活躍し、国体では三度、頂点に立った。だが「浜松は温暖な土地。なかなかスケート文化が根付かない」と危機感を覚え、二十一歳で所属先を離れた約四十年前、地元に同クラブを立ち上げた。

 クラブでは積極的にタイムを競わせた。上位の子どもには自分が大会で獲得したメダルを与え、夏場は天竜川河川敷でインラインスケートをやらせた。どれも「子どもに楽しいと思わせるため」と振り返る。

 二十五年前に浜松スポーツセンターでスケート教室のインストラクターをしていたとき、小学二年生の伊藤選手がやって来た。伊藤選手に、教室の子どもが普段履くフィギュア用の靴ではなく、娘の使っていたスピードスケート用の靴を何となく履かせると楽しげに滑った。そこに彼女のセンスを見いだした。「亜由子に自分の金メダルをだいぶ持っていかれた」と笑う。

 スケートを続けられる人は、努力しながら楽しめる人だ−。三度目の五輪に臨むかつてのスケート少女に、斉藤さんは教わった。「今度ゆっくり飲みたいよね」。五輪の後、笑顔を絶やさない訳を聞くつもりだ。

 

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