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静岡連載

平成人<8> 立教大法学部2年生 渡部 千波椰さん

渡部 千波椰(わたなべ・ちはや)さん 21歳 平成9年生まれ

候補者の情報を発信するときに駆使したパソコンとタブレット端末を手にする渡部千波椰さん=浜松市東区で(斉藤直純撮影)

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◆候補者の考え ネット発信

 二〇一七年十月の衆院選。立教大二年の渡部千波椰さん(21)=浜松市南区出身=は、県内のある陣営で、インターネットによる情報発信を一手に任された。「ウザがられてもいいから、政治に関心のない人に、ちょっとでも関心を持ってもらいたい」。そんな思いから、会員制交流サイト(SNS)を駆使し、候補者の考えを発信し続けた。

 候補者の訴える教育政策や外交観などについて動画を作成し、短文投稿サイト「ツイッター」で配信。ニコニコ動画では演説の様子を生配信した。

 長いと感じられると見てもらえないため、長くても二分以内に。スマートフォンでもスムーズに再生できるよう、あえて画質を落とした。

 一日一回以上は動画を投稿。寄せられたコメントを性別や年代ごとに分析し、別の動画作成時や候補者の街頭演説に役立てた。配信した動画は何千回、何万回と再生された。

 政治に関心を持つきっかけになった出来事は、中学二年生の時の東日本大震災だった。津波の映像に衝撃を受け、被災地で必要とされる物資を調達して、知り合いと福島県南相馬市に届けた。

 当時、中学校はサボりがちだったものの、三年生になって始まった公民の授業に興味を持った。テレビやネットで震災関連のニュースをチェックするようになり、福島第一原子力発電所の事故への政府の対応に不信感を抱いた。環太平洋連携協定(TPP)や選挙権年齢の引き下げといった事柄にも関心を寄せ「全て政治が密接に関わっている」と感じるようになった。

 高校は中退し、飲食店でアルバイトをしながら高校卒業認定試験を受けて合格。法律や政治を学べる大学を目指し、一年間の浪人生活を経て立教大に進学した。

 大学で諸外国の選挙制度を知った。例えば、投票率の高いオーストラリアでは義務制を採用し、投票に行かないと罰金が科せられる。オランダでは、投票所にロック歌手が来てコンサートをするなどして、お祭りのように盛り上げる。

 一方で、日本は投票が義務付けられておらず、若年層を中心に低投票率が続く。選挙権年齢が満十八歳以上になり初の国政選挙となった一六年参院選の投票率は、県内でも十八、十九歳は42・97%、二十代前半は32・56%にとどまった。

 「日本では上から目線で投票を呼び掛けていることが多い。投票率が低いのは行かない人の問題ではなく、政治家側の問題だと思う」と渡部さんは分析。衆院選では、県内の候補者に「ネットの情報発信を任せてもらえないか」と知り合いを通じて自ら売り込み、活動につなげた。

 今後も、どんな仕事に就いても、若者への政治的なアプローチは続けていくつもりだ。「堅苦しくない情報発信で、いかに若い人の政治への拒否反応を消せるか。人生を通してやっていきたい」と話す。

取材・古檜山祥伍(平成3年生まれ)

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