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静岡連載

平成人<2> アニメ愛で沼津に移住した会社員 笹沼 拓さん

笹沼 拓(ささぬま・たく)さん 24歳 平成5年生まれ

キャラクターグッズを手にする笹沼拓さん。後方はアニメに登場した沼津港大型展望水門「びゅうお」=沼津市の港口公園で(斉藤直純撮影)

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◆「聖地」今は安らぎの場

 沼津市が舞台のアニメ「ラブライブ! サンシャイン!!」を愛するあまり、二〇一六年十一月に東京から同市に移住した会社員の笹沼拓さん(24)。深くはまったきっかけは、会員制交流サイト(SNS)を活用し、アニメの舞台となった実在のスポットを観光する「聖地巡礼」だ。

 栃木県那珂川(なかがわ)町生まれ。幼い頃からゲームやパソコンが身近にあり「映像に触れる機会が多く、いつの間にかアニメも好きになっていた」という。高校生になってからは、深夜にテレビ放送されるアニメを週に十五〜二十本見るほど夢中になった。

 高校のクラスメートの三〜四割はアニメ好きだった。「友達付き合いをするために、アニメの話題は欠かせなかった」と振り返る。進学したIT系の専門学校では「ほぼみんなアニメオタクだった」と笑う。

 専門学校を出た後は東京でIT系の会社に就職。もともとラブライブサンシャインにそれほどの興味はなく、「アニメ仲間と話を合わせるために見る程度」だったという。

 仲間に誘われ、沼津を「巡礼」した一六年八月、転機は訪れた。「栃木出身だから、いつか海の近くに住みたかった。雄大な富士山や駿河湾の景色を初めて見て心を奪われた」。移住を決意した。

 最大のネックとなったのは就職だった。「仕事が見つからず沼津移住を断念する人も多い。中途半端な気持ちでは失敗する」と、あえて沼津に引っ越してから職探しを開始。背水の陣で挑み、製造業の会社に働き口を得た。

 「聖地巡礼」に欠かせないのが短文投稿サイト「ツイッター」。聖地を訪れた人が安い旅館やおいしい飲食店、アニメ関連の催しなど、それぞれが持つ情報を投稿する。それに対し、地元の店や施設もファン向けの投稿をして巡礼をサポートする。

 全国に散らばるアニメ仲間とは、グループをつくってメッセージをやりとりできるLINE(ライン)で交流している。初対面の人とはまずツイッターでやりとりし、仲良くなったらラインで話す。笹沼さんがSNSでつながっているのは四十人ほど。飲み会や旅行などアニメと関係ない付き合いも楽しむ。四十〜五十代の人たちと話すと「今の時代にヲタ活(オタク活動)ができるのは幸せ」と実感する。

 「聖地への移住者」として仲間内で有名になった笹沼さんは「ラブライブが終わっても、離れる気はない」と言い切る。「この一年で地元の人たちとの交流も増え、アニメと関係のない沼津の魅力も分かってきた。ラブライブが縁で築けた人間関係を大切にしながら、日常を充実させていきたい」

取材・杉原雄介(平成2年生まれ)

 <ラブライブ! サンシャイン!!> 沼津市内浦地区にある架空の女子高の生徒9人が、廃校の危機にある学校の人気を高めるためにアイドルグループを結成し、高校生アイドルの全国大会を目指すストーリー。2016年7〜9月に第1期、17年10〜12月に続編の第2期が放映された。ファンは「ラブライバー」と呼ばれ、沼津への「聖地巡礼」やアニメグッズの収集、声優によるライブなどを楽しんでいる。

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