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名前しんぶん

[佐久間しんぶん]伊豆名産 わさび漬け作り挑戦

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◆ちびり酒の友 ぴりり乙な味

 伊豆市を担当しているため、世界農業遺産に認定されたワサビについて取材をする機会が最近多い。お酒の好きな記者にとってなじみ深いのが加工品の「わさび漬け」だ。実際に作ってみたいと思い、「わさびの大見屋」(同市地蔵堂)の浅田姫美子さん(52)から指導を受けて体験した。

◆細かく刻むと辛みアップ 

浅田姫美子さん(右)に指導を受け、ワサビの根茎と根を入れたポリ袋をすりこぎでたたく記者=伊豆市地蔵堂のわさびの大見屋で

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 わさび漬けは、ワサビの茎と根を細かく刻み、酒かすに漬けたもの。大見屋では、自社のわさび田で収穫した新鮮なものを使用する。浅田さんから「細かく刻んで細胞を壊すと、辛みが増しますよ」と聞き、茎を輪切りに、根茎と根をみじん切りにする作業に取り掛かった。

 普段あまり料理をしていないため、どうも包丁の扱いがぎこちない。しかし、ツンとした香りが漂ってくると食欲がわき、包丁を動かす手にも勢いが出てきた。

 輪切りにした茎は塩をふって十分間ほど置いた後、水洗いし、ペーパータオルで水分をとる。茎を塩に漬けている間に根茎と根を刻み、ポリ袋に入れてすりこぎで三十回ほどたたく。さらに細胞を砕き、辛みを引き出すのが狙いだ。

出来上がったわさび漬け

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 仕上げに茎、根茎、根を酒かすと混ぜ合わせる。「素早く混ぜ込み、辛みを逃さず閉じ込めるのがおいしく仕上げるポイントです」と浅田さん。二等分してラップに包み容器に入れたら完成だ。

 わさび漬けは冷蔵庫で一、二日寝かせ、味がなじんだら一カ月ほど楽しめる。ちくわやかまぼこといった練り物、ご飯と合わせて食べる定番のほかに、マヨネーズに混ぜたり、バタートーストに塗ったりするのもおすすめだという。

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 私の食卓でも早速、手作りしたわさび漬けが活躍している。風味豊かで、酒かすのほのかな甘みとワサビの辛みがマッチした味わいはたまらない。世界農業遺産の認定を機に、わさび漬けにも注目が集まってほしいところだ。

 「わさびの大見屋」でのわさび漬け作りの体験は一人千五百円(税別)。店では生ワサビやわさび漬け、わさびこんぶなどを販売している。水曜休み。(問)わさびの大見屋=0558(83)2900

◆東海道線開通 全国に広まる

わさび漬発祥の地の石像=静岡市葵区で

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 わさび漬けは、主に安倍川の流域や伊豆天城山麓周辺で生産されている。県漬物商工業協同組合(静岡市葵区)によると、江戸時代中期の宝暦年間に駿府の行商人が、安倍川上流の産地でワサビの茎をぬかみそ漬けにしたものを地元の村人にごちそうしてもらい、おいしかったことから商品化を考えたのが由来とされる。1889(明治22)年の東海道線の全線開通以降、全国に広まった。

 静岡市葵区の駿府城公園南側の内堀には、県山葵漬工業協同組合(現在の県漬物商工業協同組合)が1968(昭和43)年に設置したワサビをモチーフにした石像「わさび漬発祥の地」がある。

 佐久間博康(さくま・ひろやす) 名古屋市出身の33歳。三島に赴任して1年半、ジオパークの取材をきっかけに山や崖、滝などの地質や地形、歴史に関心を持つようになった。4月のユネスコ執行委員会で伊豆半島ジオパークが世界認定されるのを心待ちにしている。

 

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