トップ > 静岡 > 地域特集 > 名前しんぶん > 記事一覧 > 2018年の記事一覧 > 記事

ここから本文

名前しんぶん

[福島しんぶん]釣りデビュー クロダイ挑戦

写真

◆清水港 富士山を望み、いざ出発

山本光男さんが釣りの準備をする目の前に富士山が美しく見える=静岡市清水区の清水港で

写真

 全国的にクロダイ釣りで知られる静岡市清水区の清水港。富士山を望む最高のロケーションに、全国から釣り人が集う。人気の理由は何なのか。ひそかに「釣りガール」に憧れていた釣り経験ゼロの記者が、釣りデビューを兼ね、その魅力に迫った。

 午前九時。清水港で釣り船業を営む山本光男さん(70)と一緒にボートに乗り込んだ。三保海水浴場沖から約五百メートル地点をポイントに決め、ボートを留めたら釣りの始まりだ。

 まずオカラを団子状にし、その中に餌になるオキアミを入れて釣り針に付け、リール付きのさおで海に投げ入れた。海底に着くまで糸を送り、時々さおを上下に動かし魚を待つ。すると、さおが何かに引っ張られるのを感じた。「いきなり来た!」。興奮して糸を必死に巻いたが、餌だけ取られ針には何もない。釣れると思ったのに、何とも悔しいスタートだ。

 「釣りがうまい人でも、魚を寄せることが仕事。まずは耐える」と山本さん。焦らずタイミングを待つことが大切だ。「釣り針が下がってぐいっといったら両手で上げて」と助言され、今度こそはと、もう一度挑戦する。

◆メジナ、フグ、アジ…6時間で12匹

釣りデビューで念願のクロダイを釣り上げた記者=静岡市清水区の清水港で

写真

 二回目、魚が餌に食い付いたのを感じた瞬間、山本さんの指示に合わせて糸を巻いた。思った以上に力が必要で、まるで魚と私の力試しのよう。何度も負けそうになりながらも「来た!」。戦いを制して釣り上げたのは、体長一五センチのフグ。小さくても初の獲物に興奮が止まらなかった。

 一回釣るとコツが分かってきたのか、メジナやアジなどを次々にゲット。さらには一五センチのクロダイまで釣り上げ、もしかして才能あり?と調子に乗ってきたとき、「釣れるか分からない魚を待って釣る。それが釣りの醍醐味(だいごみ)だよ」と山本さんが笑った。釣った量より過程を楽しむ。獲物を待つ時間は長いが、その分釣り上げる瞬間は最高に気持ちがいい。釣りの真の魅力が分かった気がした。

 六時間没頭した結果、計十二匹を釣った。その後、山本さんの店に戻ると、他の客も帰ってきた。全国から毎週ほぼ同じ顔触れが集うといい、「今日はダメだった」などと反省して互いに励まし交流するのが常だそうだ。

 横浜市から来た会社員の大島康寿(やすひさ)さん(66)は「釣られたくない魚と釣りたい人の駆け引き。釣りは魚との会話」と話す。山本さんも加わり「いつまでも青春」「俺らは釣りバカ」と笑い合う。二人の楽しそうな様子を見ていると、仲間との交流も魅力の一つかもしれないと思った。

メジナを釣り上げた瞬間=静岡市清水区の清水港で

写真

 「釣りは男のロマン」と言うが、ここ数年は月に数人の女性客も訪れる。山本さんは「冬は寒いし大変だろうけど、釣りの楽しさを理解しようとしてくれる女性はすてき。もっと増えたらいいな」と期待する。

 釣りガールへの道のりはこれから。今度は仲間を連れてきて、大物をゲットしたい。

【メモ】 清水港には、今回お世話になった山本さんの「山本釣船店」(静岡市清水区清水町)以外に3軒の釣り船店がある。山本釣船店は要予約。休みや料金などはホームページで確認を。(問)山本釣船店=054(352)3217

 福島未来(ふくしま・みらい) 昨年8月に静岡総局に赴任した入社2年目。新人記者として、事件事故の取材に奔走する。九州・宮崎県出身で、気候も風景も似ている静岡を気に入っている。特に、日本のシンボルである富士山に、気分が上がり勇気づけられている。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索