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名前しんぶん

[松野しんぶん]災害時こそ 日常の味を

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◆非常食7日分、買ってみた

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 巨大災害に備え、一週間の備蓄を−。県は各家庭に水と食料の備蓄を呼び掛けるが、本年度の県民意識調査によると、七日分以上の食料を備蓄している割合は20%にとどまる。食料七日分ってどれぐらい? 非常食を買わないといけないの? 県政で防災を担当している記者が実際に購入し、試食してみた。

◆冷たいカレーげんなり

 ジャガイモやニンジンがごろっと入ったカレーライス。「おいしそう」とスプーンを伸ばしたのもつかの間、三口目でつらくなってしまった。

 実はこのカレー、水で炊けるアルファ米と、「温めずに食べられる」という防災用のレトルトカレーで作った。水に六十分間浸した米はべちゃっとしているものの、食べる前は「災害時にこれを食べられたらぜいたくだな」と思った。耐えられなかったのは冷たさ。皿にラップを巻き、電気、ガス、水道を使わずに食事しようと思っていたが、たまらず電子レンジで加温した。

 備蓄食料と聞けば、アルファ米や乾パンなどの非常食が思い浮かぶが、県危機情報課の高橋洋二課長代理は「災害時こそ日頃食べ慣れているものを」と勧める。大人一人分の七日分の備蓄例を教えてもらった。

(上)アルファ米と防災用のレトルトカレーで作ったカレーライス(下)炊飯器を使わずに炊いた米とレトルトカレーで作ったカレーライス

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 主食と主菜、水−。それらは自宅近くのスーパーで安く買いそろえられ、ガスこんろとボンベ(六本)、ラップを合わせて一万円余。食材だけなら七千円以内に収まった。賞味(消費)期限は数日〜一年程度で、カレーや缶詰は数十種類から好みの味を選べる。一度に購入したため買い物かご二個が満杯になり、マンションの駐車場から三階の自宅まで三往復して運ぶ羽目になったが、使ったら買い足す「ローリングストック法」を実践すれば、備蓄のハードルは下がりそうだ。

◆温かい食事 心身癒やす

 停電を想定し、米をポリ袋に入れてガスこんろで炊いてみた。鍋に入れた水が少なかったのか、三十分間加熱するとポリ袋が焦げて鍋底に張り付いてしまった。それでもつやのあるご飯が炊き上がり、加熱したレトルトカレーをかけると、空腹を満たす以上においしかった。

 インターネットなどでは七日分の非常食セットが数千円台から売られている。非常食は賞味期限が数年と長く、非加熱で食べられるため便利だ。ただ、被災生活はストレスと隣り合わせ。高橋課長代理は「一杯のみそ汁がストレスを和らげてくれる。やっぱり温かいご飯は大事」と話し、日常食と組み合わせた備蓄を勧める。

 県が昨年十〜十一月に行った調査によると、「自宅内の食料をかき集めれば家族で一週間耐えしのげる」と答えた割合は六割近くに上った。記者も自宅の棚を探したところ、カップ麺十個と缶詰七缶、レトルトご飯三パック、水十リットル余が見つかった。まずは自宅内を整理してみませんか。少し買い足せば、災害への備えができるかも。

<大人1人7日分の備蓄例>

【主 食】米700グラム(9食分)、レトルトご飯7パック、菓子パン1個、乾麺200グラム(2食分)、カップ麺1個、シリアル50グラム(1食分)

【主 菜】魚の缶詰6缶、肉の缶詰4缶、豆の缶詰1缶、レトルトカレー7パック、豆腐2パック、牛乳1杯分

【 水 】21リットル

 ※ガスこんろやボンベ、ラップも合わせて用意

 松野穂波(まつの・ほなみ) 大阪市出身の28歳。記者6年目。実家ではほとんど料理をしたことがなかったため、母から仕送りで届くカップラーメンがたまっている。今回購入した備蓄食料の中でおすすめは、缶詰の焼き鳥つくね。

 

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