トップ > 静岡 > 地域特集 > 名前しんぶん > 記事一覧 > 2017年の記事一覧 > 記事

ここから本文

名前しんぶん

[瀬田しんぶん]JR東海の静岡車両区を訪問

写真

◆熟練技で出発進行

在来線車両の点検、整備をしている静岡車両区=静岡市葵区で

写真

 ダイヤ通りの運行、低い事故率など、世界有数の安全水準を誇る日本の鉄道網。運転士や車掌など、乗客がよく目にする仕事以外にも、多くの職種の人たちが安全な運行を支えている。静岡地区を走っている電車などを点検しているJR東海の車両基地「静岡車両区」(静岡市葵区)を訪ねた。

 JR東静岡駅の近くにある静岡車両区では、在来線の電車の定期点検を行っている。十日以内に一度の仕業検査、九十日以内に一度の交番検査、二年以内に一度の自動列車停止装置(ATS)検査の三種類だ。車体を分解する四年以内に一度の重要部検査と、八年以内に一度の全般検査は名古屋工場(名古屋市中川区)で行われる。

 仕業検査は日常の定期点検で、台車、ブレーキなどが正常に作動するかを確認し、車内を清掃する。交番検査はより詳細に、各機器の内部や車輪の形などを点検する。必要に応じて車輪を削って形を整えたり、架線から電気を取り込むパンタグラフなどの部品を交換したりする。

◆ボルトの緩み たたいて“診断”

 このうち台車やパンタグラフの点検では、数千個あるボルトをハンマーでたたき、音を聞いて緩みがないかチェックする。熟練の技術者たちは一つ一つのボルトを数回たたいて締まり具合を見極める。

鈴木貴之さん(左)の指導を受けながら台車の点検を体験した=静岡市葵区で

写真

 練習用の器具をたたかせてもらった。案内してくれた車両整備歴二十年のベテラン鈴木貴之さん(39)によると、「ボルトをたたいて、緩んでいれば鈍い音が鳴り、しっかり締まっていれば高い音が鳴る」とのこと。「キーン」「ポーン」−。確かに同じボルトが並んでいる練習用の器具では違いが分かった。

 だが車両にはボルトが何種類もあり、それぞれ音が異なる。鈴木さんから「やってみてください」と勧められ、実際に車両をたたいてみたが、大きさの違うボルトの音が聞き分けられなかった。

写真

 「不具合は思ってもいないところに起きる。車両区の仕事は毎日同じ作業の繰り返しも多いが、常に新しい目で、トラブルを事前に防ぐよう心掛けている」と話す鈴木さん。この技術者の絶え間ない努力が、日本の鉄道の「安全」を支えているのだと実感した。

 瀬田貴嗣(せた・たかし) 静岡総局で県警取材を担当。生まれも育ちも鉄道網が発達した大阪。移動手段はもっぱら電車だった。実家の最寄り駅は、難読で有名な放出(はなてん)。好きな電車は、近鉄22600系の旧塗装。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索