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名前しんぶん

[佐野しんぶん]牧之原 はいばら太鼓体験

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◆打打打 スポーツだ

松井工さん(右)の教えを反すうしながら、懸命に太鼓をたたいた=牧之原市内で

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 ここ最近、妻と娘が地元の「はいばら太鼓保存会」の初心者向け教室に通い始めた。保存会の演奏を何回か見たことがあり、勇ましい姿が印象的だった。衆院選や牧之原市長選の選挙取材が終わった高揚感に背中を押され、教室に顔を出してみた。

◆まずは屈伸

 十月下旬の午後八時ごろ、保存会の練習場には大人から園児まで十人ほどが集まった。和気あいあいとした雰囲気もつかの間、誰からともなく本格的な屈伸運動を始めた。それだけハードな時間が待っているということか。一気に不安が膨らんだ。

 まずは、保存会代表の松井工(たくみ)さん(43)から構えを教わった。両足を開き、両膝はやや曲げた状態。腰を落としつつ胸を張る。慣れない姿勢を取り続けることがこんなにきついとは思いもしなかった。

◆震える右膝

 両手で交互にゆっくりとたたく肩慣らしから始まった。たたき始めて一分もたたずに右膝がガクガクと震え始めた。体勢が崩れるほどの強い震えだ。日ごろの運動不足を差し引いても、あまりに早い変調に焦った。太鼓を伝統芸能の枠組みで考えていたが、これはスポーツの一種だと感じた。

◆最後に連打

 練習のレベルは徐々に上がり、最後に控えていたのが、三分弱にわたって連打し続ける練習。休憩を挟みながら四セット続いた。一セット目の序盤、ついに左膝と両腕も震え始めた。体勢が崩れ、たたくリズムが遅れても、手だけは止めないように心掛けた。松井さんの評価は「へっぴり腰」のひと言だった。

 太鼓歴二十九年の松井さんは、太鼓の魅力を「同じ音のように聞こえるかもしれないけど、音の表現に幅があるんですよ」と教えてくれた。たたく速度や強さ、手首の返し方、腕の振り方など、出したい音に合わせて変えているという。何げなく見ていた演奏に、そこまで強いこだわりが隠されているとは思いもしなかった。

◆親子で舞台

 松井さんの長女(19)も保存会メンバーの一人。普段は県外に住んでいるが、発表会の折に帰省し、一緒に舞台に立つこともあるという。老若男女問わず楽しめるのも太鼓の魅力の一つだ。いつか家族で同じ舞台に立てたら、さぞ気持ちいいことだろう。

 一人ではいずれ気持ちが折れそうなので、家族三人で続けられればと思う。

 <はいばら太鼓保存会> 1976年に前身となる団体が発足し、83年に現名称になった。メンバーは牧之原市民を中心に40人で、公演は年間平均で40回近くに上る。高校生以下のジュニアチームは太鼓の全国大会に3度出場している。毎週金曜夜に同市静波の稽古場で初心者向け教室を開催している。問い合わせは市役所企画政策課の松井さん=電0548(23)0053=へ。

 佐野周平(さの・しゅうへい) 富士宮市出身の36歳。社会人になってから運動とはほぼ無縁の生活を送っており、健康的な趣味を探していた。太鼓との接点は、ゲームセンターの人気ゲーム機「太鼓の達人」を何回かやったことがあるぐらい。リズム感がなく、得点はいつも低めだ。

 

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