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名前しんぶん

[高柳しんぶん]浜松オートへ GO

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◆時速150キロ! 傾き疾走!

激しいエンジン音を立てながら疾走するオートバイ。コーナーのせめぎ合いがオートレースの面白さだ=浜松市中区和合町で

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 公営ギャンブルの関連取材をすることが多い私に「オートレースっておもしろいんですかぁ〜」と、若い記者が聞いてきた。オートバイのふるさと・浜松市で、1956(昭和31)年から60年以上続くモータースポーツ文化が知られていないのは、あまりに寂しいではないか! というわけで、その魅力を広く伝えるべく、同市中区和合町にある浜松レース場を訪ねた。

 浜松市は、先の大戦後にいち早くオートバイ産業が立ち上がったまちで、現在の国内四メーカーのうち三社(ホンダ、スズキ、ヤマハ発動機)のルーツがある。中小メーカー数十軒が生産を始めたことで、オートバイ熱に拍車がかかり、生産車の品質向上に寄与するとともに、市財政の改善を図ろうと、五六年にレース場ができたとされる。

 正面入場門からゲートを通って、場内へ入った。かつては有料だったが、今は無料で誰もがレースを楽しめるようになっている。

◆バイクのふるさとで開場60年

浜松オートレース場の正面入場門。気軽に無料で入場できる=浜松市中区和合町で

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 私が初めてオートレースに触れたのは今から二十五〜三十年前。それまで特に関心があったわけではないが、知人の誘いに同行したのがきっかけだった。スズキで専用に開発された排気量六〇〇ccの競走車八台が、アスファルト走路を激しいエンジン音をたてながら最高時速百五十キロで疾走する。そのスピード感と、ゴール直前まで抜きつ抜かれつのスリル感にすっかり魅了された。

 走路は一周五百メートルの楕円(だえん)形で、内側に少し傾斜している。競走車は選手が車体を終始傾けながら左回りするため、ハンドルの左側が高くなっている。急な減速は事故を招く危険性が高いためブレーキはなく、アクセルワークで速度を加減する。

◆落車怖い…観戦が一番

佐藤貴也選手(右)から競走車について説明を聞いた

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 ひとたび落車すれば、大けがにつながる危険と隣り合わせのスポーツだ。トップレーサーとして活躍する佐藤貴也選手(32)に「怖いと思ったことはありませんか」と尋ねると、冗談交じりで「よくありますよ」と返ってきた。「それでも自分が頑張った分だけ、結果が付いてくるのはうれしいですから」という言葉に、勝負の世界で生きるプロ意識を感じた。

 実際のレースの臨場感を確かめてみようと、レース場に頼んで走路内の第三コーナーから見学させてもらった。スタンドから見るのとは比べものにならないほど、選手が競ってコーナーに進入してくる迫力に圧倒された。

 最後に、佐藤選手の競走車にまたがらせてもらった。車体の重さが百十キロ以上もあり、ミニバイクにしか乗ったことがない私には、到底乗りこなせるものではない。あらためてオートレースは見て楽しむのが一番だと感じた経験だった。

 【基礎知識】 <公営ギャンブル> 中央競馬や地方競馬、競輪、競艇、オートレースの総称。それぞれの特別法(オートレースは小型自動車競走法)で、刑法上の違法性が除かれている。オートレースの所管官庁は経済産業省で、地方自治体が施行者になっている。第二次世界大戦後の戦災復興が目的で、収益金は学校や体育館の建設、公共事業などに幅広く使われている。

 【基礎知識】 <オートレース> 浜松のほか、川口(埼玉県)、伊勢崎(群馬県)、飯塚(福岡県)、山陽(山口県)の全国5カ所のレース場と、名古屋市などに場外車券売り場がある。選手は元アイドルの森且行(かつゆき)選手ら約400人がおり、このうち浜松レース場には75人が所属している。20歳から購入できる車券は、1〜3着の選手を着順通り的中させる3連勝単式や、1〜3着の選手を着順にかかわらず当てる3連勝複式など7種類がある。すべて100円単位で購入できる。

 高柳義久(たかやなぎ・よしひさ) 今年三月から報道部に勤務し、ラグビーや野球などスポーツ中心の取材をしている。体を動かすことが好きな性分で、若いころはバスケットボールやテニスなどもしたが、今はゴルフを月一程度でプレーする。スポーツ取材を担当しながら、中年ならではのメタボ体形が悩み。

 

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