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心のおと

ターンテーブル

ゆっくりターンテーブルに進むSLは、まるでランウェイの上のモデルのよう=川根本町の千頭駅で

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 「ターンテーブル」というと、私のような音楽人にとってはアナログレコードを聴くためのもの。ですが、川根本町にあるターンテーブルは、SLの向きを変える「転車台」です。全く違う二つですが、共通しているのは「懐かしい音を奏でる」というところでしょうか。

 新金谷駅と千頭駅を結ぶ大井川鉄道のSL蒸気機関車は、正面の顔を進行方向へ向けるために、それぞれの駅に到着すると、このターンテーブルに乗ってぐるりと方向転換します。

 特に千頭駅では作業が人力で行われるので、タイムトリップした気分が味わえます。SLが「シュッ、シュッ」と懐かしい音をたてながらターンテーブルに入ってきて、その上にピタリと収まる。待ち構えていた鉄道員たちがレバーを押してゆっくりと台を回すと、SLはまるでランウェイの上のモデルさながら、「私の姿を見て!」とばかりに悠々と体の向きを変えていきます。

 さまざまなもののスピードが速くなっている時代に、ゆったりと走り、ゆったりと体の向きを変えるSL。その美しさは、私に「せこせこ走るだけでなく、景色を感じる速度で堂々と歩んでいきたいな」と感じさせてくれました。

 その瞬間、汽笛の大きな音。「そうだよ!」と返事をもらったようでした。

 次はSLに乗りに行こうと思います。旅の計画は、ターンテーブルにゆっくりと針を落とし、ゆったりとレコードを聴きながら…。

 

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