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しずおか生活帳

うつ病から復職後押し 浜松・南区の三方原病院

◆県西部初 仲間と共に心と体を回復

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 浜松市南区の「医療法人好生会 三方原病院」で昨年始まったうつ病の人の復職を支援する「リワークプログラム」で一月末、初めて半年間のプログラムを終えて四人が復職した。県西部にある精神科病院では初の取り組み。以前からあった精神疾患の患者向けのデイケアのプログラムと一緒に行うことで、仲間と共に心と体を回復させて復職できる仕組みが期待される。

 一月末、初めて半年間のプログラムを終えて復職した四人が、病院に併設されたデイケア施設に集まり、OB・OG会を開いていた。「あんまり無理せずにやっていこうよ」「また来月会おうね」と互いに声を掛け合った。参加者の一人、四十代の女性は「親友でも家族でもないからこそ心の内を話せる仲間」とおだやかに笑った。

 女性は昨年六月からリワークプログラムに通い始めた。介護職の正社員としてフルタイムで働いていたが、夜に眠れなくなり通院するように。うつ病と診断され、二〇一六年の冬から休職した。主治医の紹介で三方原病院のプログラムを知った。

 プログラムは、復職したいと考えている、週三日以上の通所ができる、主治医から参加の許可が出ている−などの条件を満たせば誰でも受けることができる。

 「おそるおそる、不安な気持ちで通い始めた。最初は人と会いたくなかったんです」と女性は振り返る。最初は週三日、半日通うことからスタートし、徐々に日数を増やしていった。曜日ごとに取り組む内容は決まっており、医師によるうつ病の講座などがある。通い始めて一、二カ月過ぎたころ少しずつ前向きな気持ちになり、また働きたいと思えた。

 女性が印象に残っているのは、臨床心理士による集団認知行動療法というプログラム。一日の過ごし方とそのときの体調を数値化してきて、仲間で見せ合う。最初はなぜうつ病になったのか分からなかったが、仕事でもプライベートでも「みんなと比べて劣っている」と考えてしまい、気づかないうちにストレスをため込んでいたことに気づいた。どんな時に気分が沈むのかを客観的に見ることができるようになった。

 担当の職員と面談を行い、同時進行で病院の精神保健福祉士が職場への病状の報告も進めていた。職場と相談し、より精神的な負担の少ない部署へ異動することになった。今年一月から時短勤務を始め、数週間後にフルタイムへ移行。仕事にはまだ慣れないが、精神的に楽になった。「通所できること自体が自信につながった。心の病を抱えている人は、引きこもらずに仲間と過ごしてほしい」と願う。

 同病院では、これまで二十〜四十代の七人がリワークプログラムを利用し、四人が復職した。精神保健福祉士の浅野輔(たすく)さん(29)は「一度休職すると社内でレッテルを貼られてしまい、戻るのは大変かもしれない。ただ、休みたいけれど休めずに悪化してしまうこともある。一つの選択肢としてプログラムがあることを知ってほしい」と話している。

(相沢紀衣)

 このコーナーは今回で終わります。5月からは新企画「くらしの知恵袋」が始まります。

 

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