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しずおか生活帳

徘徊高齢者 捜索目印に 認知症患者向け「見守りシール」

認知症患者の靴やつえなどに貼ってもらう高齢者見守りオレンジシール=吉田町役場で

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◆吉田町が配布 早期発見期待 

 認知症のお年寄りの徘徊(はいかい)に備え、吉田町が捜索時の目印となる「高齢者見守りオレンジシール」を作った。町内では認知症患者の徘徊が後を絶たず、高齢化社会が進む中、見守り態勢の強化が求められている。靴やかばんなど外出時に身に着けるものに貼ってもらい早期発見につなげる。

○反射材機能も

 町地域包括支援センターで徘徊の恐れがある認知症患者の登録を呼び掛け、名前や身体的特徴、緊急時の連絡先などの把握に努めている。

 シールは直径三センチほどの円形。オレンジ色の背景に町のマスコットキャラクター「よし吉」の絵が添えられ、反射材のように夜間は光るようになっている。二月から登録者にシールを十枚ずつ配り始めた。

○通報は横ばい

 同センターや警察に徘徊事案の通報があると、町は家族の同意を受けた上で行方不明者の身体的特徴を同報無線などで周知し、町民に情報提供を呼び掛ける。

 町内では近年、徘徊事案の通報件数がほぼ横ばいで推移。二〇一六年度は五件で、一三年度には遺体で発見されるケースが二件あった。行方不明者の発見場所は自宅周辺にとどまらず、今年一月には八十代女性が自宅から十数キロ離れた藤枝市の公園で見つかった。

 町担当者は「捜索する範囲が広く、現状の捜索態勢では十分とはいえない。シールを有効に生かせれば見守りの目がぐっと増える」と強調する。

○プライバシー

 要介護認定を受けた町内の認知症患者は昨年四月で五百七十二人。うち徘徊の恐れがあるとして同センターに登録されたのは二十人程度にとどまる。町担当者は「実数はもっと多いはず。認知症であることを隠したがる心理が家族にあるのでは」と推測する。

 担当者が懸念するのは、お年寄りがシールを貼ってくれるかどうかだ。シールを貼れば、見ず知らずの人にも認知症患者であることが分かってしまう。町は患者宅を訪ねてシールを配る際、家族に理解を求めており、おおむね好意的な反応という。(問)町福祉課=0548(33)2105

進まぬ周知 地域の協力必要

◆県内 複数市町で導入

 徘徊高齢者早期発見の「オレンジシール」事業は、県内では浜松市が二〇一六年六月に導入するなど、複数の市町に広がっている。

 浜松市のオレンジシールは四桁の登録番号が記され、市や警察は登録番号で名前や住所などが分かる。

 徘徊事案が発生した際、行方不明者の登録番号や身体的特徴を見守り協力者にメールで伝える取り組みも実施している。見守り協力者には地域の民生委員ら千三百人ほどが登録しており、市担当者は「市民の問題意識を高め、協力者をもっと増やしたい」と話す。

 昨年三月にオレンジシールの配布を始めた磐田市の担当者は「シール自体の周知がなかなか進んでいない」と説明。広報紙で特集を組むなどして認知度の向上を図っている。

(佐野周平)

 

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