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しずおか生活帳

乳がん検診 安心快適 着衣うつぶせで撮影

◆浜松の病院がMRI活用

DWIBS法による乳がん検査の様子。うつぶせになっているだけで乳がん検診ができる=浜松市南区のすずかけセントラル病院で

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 女性がかかるがんの中で最も多い乳がん。昨年秋に結婚したことをきっかけに、早期の発見・治療がぐっと身近な問題に感じられるようになった。乳がん検診と言えば「マンモグラフィー」が主流だが、浜松市南区の「すずかけセントラル病院」が画期的な検査方法を導入したと聞いたので取材してみた。

 乳房にエックス線を当てて撮影するマンモグラフィーは、胸部を圧迫して行うため痛みを感じる人が多い。二十、三十代は乳腺が発達している「高濃度乳房」の場合が多いため、小さながんが写りにくいという課題もある。

 同病院が今年一月から始めたのが、高原太郎医師(56)が考案した検査方法「DWIBS(ドゥイブス)法」による検診。磁気共鳴画像装置(MRI)を使って、磁力で身体の内部を撮影する。従来のMRI検査と異なり、造影剤の注射が要らないので、副作用のリスクがないのが特長だ。

 受診者は服を着たまま装置の中でうつぶせになるだけで、放射線被ばくの心配がなく、検査担当の技師に胸部を見られずに検診を受けることができる。高原医師によると、マンモグラフィーと比べて発見率は約十倍に上るという。

 がん検診は、住民検診のような集団対象の「対策型」と、人間ドックのように個人の判断で受ける「任意型」の二つのタイプに分けられる。このうち、マンモグラフィーは対策型で、行政補助があるため、同市の委託医療機関の場合、千六百円で済む。しかし、DWIBS法は任意型にあたり、同病院の場合、二万三千七百六十円(税込み)と負担が重くなるのが現状だ。

 県立静岡がんセンター(長泉町)の植松孝悦医師は「任意型の場合は、医師の説明を十分に受けて納得した上で受診することが大切」とした上で、「DWIBS法による乳がん検診はまだ科学的な実績に乏しいが、将来的な可能性はある」と展望する。

 この方法で検診を受けた同市北区の主婦(41)は「毎年、マンモグラフィーを受けていたが、乳房を押しつぶされる痛みに恐怖があった。DWIBS法の場合は寝ていれば十五分程度で終わり、快適だった」と振り返った。

 厚生労働省の国民生活基礎調査によると、四十〜六十九歳女性の乳がん検診受診率は、44・9%にとどまる。たくさんの人が自分に合った検査方法を選んで、早期発見や治療につなげてほしいと思う。

 <乳がん> 乳房内の乳腺にできる悪性腫瘍で、40代からリスクが高まる。厚生労働省の人口動態調査によると、2016年に乳がんで亡くなった女性は全国で約1万4千人。早期発見で早く治療を始めることで、より高い確率で完治するとされる。

(松島京太)

 

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