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しずおか生活帳

湖西で夫婦講座 「産後不和」学ぶ

◆危機呼ぶすれ違い実感

赤ちゃんの人形を使って着替えの仕方を教える保健師(左)=湖西市古見の市健康福祉センターで

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 出産前に夫婦関係の変化を夫婦で学んでもらう湖西市の「プレパパ・プレママ教室」が好評だ。本年度初めての取り組みで、出産後に夫婦関係が危機に陥る「産後クライシス」に着目。その仕組みや予防する方法を夫婦で共有できる内容は県内でも珍しい。「自分は手伝ってるからイクメン」という“勘違い”への気づきを狙っている。

 「カップルの二組に一組は、妻の出産を機に関係が悪化します」。昨年八月、湖西市内で開かれた二回目の教室。講師を務めた常葉大こども健康学科准教授の柴田俊一さんがさらりと指摘すると、会場でリラックスして聞いていた夫婦たちが驚いた表情になった。

 その上で伝えたのは「手伝おうか、はNGワード」。育児は母親がするものと決めつけ、父親に当事者意識がないからだ。教室では、ママ用とパパ用に分けたチェックシートを用意し、赤ちゃんが生まれてから夫婦関係や生活への不安、心配について夫婦の意識差を実感する取り組みもあった。

 柴田さんは厚生労働省の調査結果から、一番下の子どもがゼロ〜二歳のときに離婚した母子世帯が全体の約四割を占める状況を挙げ、「事前に気持ちを共有できれば、防げる夫婦のすれ違いもある」と語り掛けた。

 このほか母親のホルモンバランスの変化も産後クライシスに大きく影響すると説明。出産や授乳時にオキシトシンというホルモンが脳下垂体から分泌される。パートナーとの絆を深める「愛情ホルモン」の呼び名もあるが、一方で、母子に害があるとみなした相手には攻撃的になるという特性もあるといわれる。

 柴田さんは、産後の母親が、育児に協力的でない父親を「敵」とみなし、関係が悪化しないよう、夫婦の意識のずれを解消する大切さを強調した。

 参加した三十代男性は「育児は一緒に協力してやらなくてはと実感した。講座のおかげで赤ちゃんが生まれることへの不安は少し減ったかな」と話した。

 教室は全六回で、これまで四回開催し、計三十六組が参加した。参加者から「妻の不安を知ることができた」、「夫婦で話をするきっかけになった」との声も寄せられた。

 教室では赤ちゃんの人形を使っておむつ替えや抱っこも学ぶ。市健康増進課の保健師、高須永味子さんは「夫婦ともに赤ちゃんが生まれた後の具体的な生活イメージを持ってもらえたのでは。新年度も続けたい」と話す。

 柴田さんは長野県佐久穂町で本年度、産前四回、産後二回、一年かけて親になることを学ぶ連続講座を始めた。産後は赤ちゃん連れで受講でき、参加者同士がつながり、悩みを分かち合える関係になる利点もある。「産前から産後と継続的に学ぶのが望ましい。赤ちゃんの愛着形成や家族の絆が深まり、虐待防止の観点からも有効」と支援が充実していく大切さを訴えている。

(片山さゆみ)

 

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