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しずおか生活帳

静岡犯罪被害者支援センター 5月で20周年

◆態勢は充実 進まぬ認知

電話相談に応じるボランティアの女性相談員。カウンセリングや公判付き添いなどの直接支援に移行することもある=静岡市葵区で

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 犯罪被害者や遺族の相談に乗ったり、生活支援を提供したりするNPO法人「静岡犯罪被害者支援センター」(事務局・静岡市葵区)が五月で設立から二十周年を迎える。相談受理件数は発足当初から増加傾向にあり、態勢も充実してきたが、センターが望む条例整備などの点では他の自治体に後れを取っている。県内の被害者支援を巡る状況をまとめた。

 支援センターは一九九八年五月、全国で九番目の民間被害者支援組織として発足した。現在、構成メンバーは専任職員とボランティアの三十人余り。電話や対面相談、警察署や裁判所への付き添い、県弁護士会と連携した法律相談、自宅での生活支援など幅広い業務を担っている。

 二〇〇一年にNPO法人化し、〇七年五月には「犯罪被害者等早期援助団体」に指定された。事件の初期の段階で県警から被害者の住所氏名、被害内容を教えてもらえるようになり、迅速な対応が可能になった。初年度に二百六十件程度だった相談も増加し、昨年度の受理件数は三百六十二件に達した。ここ数年は三百五十〜四百五十件程度で推移しているという。

 ただ、認知度向上はなおも課題と言える。内閣府の昨年一月の世論調査では、全国各地の支援センターの認知度は25・5%にとどまっている。被害者支援を担う他の機関も同じ程度で、配偶者暴力相談支援センターと日本司法支援センター(法テラス)はともに三割を下回った。

 静岡犯罪被害者支援センターの活動は賛助会員の会費や善意の寄付に支えられている。センターは古本などの寄贈を募り、その売却代金を被害者支援に充てる「ホンデリング」事業も展開。買い取り価格が一冊五十円の場合、例えば二千冊あれば、転居を余儀なくされた被害者の引っ越し費用を賄えるという。

 電話相談は、静岡犯罪被害者支援センター=電054(651)1011、寄付などの問い合わせは事務局=電054(651)1021=へ。いずれも平日午前十時〜午後四時。

◆条例 県と藤枝市のみ

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 静岡犯罪被害者支援センターは県警とも連携し、自治体に被害者支援条例の制定を働き掛けてきた。

 二〇一五年には、被害者への情報提供や経済支援などの基本事項を定めた県条例が施行。昨年四月には藤枝市が県内で初めて、被害者の死亡時に三十万円、重傷病時に五万円を本人やその遺族に支給する「見舞金制度」を盛り込んだ市条例を施行した。

 ただ、県内市町で条例を制定しているのは藤枝市のみ。条例の整備率が高く、見舞金制度も充実した京都府、滋賀県、佐賀県、秋田県などと比べると見劣りするのが現状だ。

 全国各地の見舞金制度は藤枝市と同じく、被害者本人やその遺族に数万〜数十万円を支給するタイプが多くを占めるが、独自の方式を定めている自治体もある。

 たとえば、岐阜県では、犯罪被害者の遺児に小中高校の三段階に応じた「激励金」を支給している。東京都の杉並区や多摩市などでは見舞金でなく、無利子の貸付金を利用してもらっている。

 センターの高橋陽悦事務局長は「被害者を社会で支えていく仕組みを構築するため、他市町も早く条例を制定し、県条例を補完する必要がある」と訴える。

(西田直晃)

 

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