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しずおか生活帳

西区の水彩画家 74歳上野さん 第二の人生 自信と目標を

◆会社役員から転身 趣味追求

第二の人生を満喫する上野博さん=浜松市西区馬郡町で

写真

 きょう十八日は「敬老の日」。日本人の寿命は延び、年齢を重ねても社会の一員として活躍するには、四十〜五十代といったミドル世代からの備えが大切だ。浜松市西区馬郡町にアトリエを構える水彩画家の上野博さん(74)は、リビング関係の会社を早期退職し、仕事一筋の生活から美術の世界へ転身。絵を学ぶために海外留学し、帰国後は教室を開くなど、精力的に第二の人生を送る。そんな上野さんから、老後の生き方のヒントを探った。

 八月下旬。JR舞阪駅から南方へ徒歩五分。かつて歯科医院だった建物の一室で、上野さんが九月に新設する絵画教室「チェルシーアートアカデミー」の準備にいそしんでいた。

 エックス線検査室だった部屋を資料用の書庫に、受付スペースを美術教材のDVD観賞室にするなど、各所に工夫を凝らした。「壁を張り替えたり、棚を作ったり大変です」。その言葉とは裏腹に、表情には充実感がにじんでいた。

 上野さんは、浜松市内でリビング関係の設計、企画、商品開発などを手掛ける会社の役員だったが、業績が厳しくなったこともあり、五十七歳だった一九九九年に早期退職をした。次のテーマに選んだのは、幼い頃から趣味として続けていた水彩画だった。

 知人の紹介で、創立百七十年以上の歴史がある英国・ロンドンのヘザリー美術学校に入学して一年間、ホームステイなどをしながら水彩画や彫刻を学んだり、級友らと美術館巡りをしたりした。

 二〇〇一年に帰国後、浜松市北区三ケ日町に最初のアトリエ兼教室を構えた。東京都や静岡、掛川両市内などの絵画教室で教え、米国に指導のために足を運んだこともある。現在は、日本水彩画会の遠州支部長を務める傍ら、創作活動に打ち込む日々を送っている。

 上野さんは、シニア世代に入る前に海外留学をした自身の経験を踏まえつつ、「今の六十代は元気で、老け込むにはまだ早い」と説く。「(留学について)周りからは遅すぎると言われたが、何歳になっても自信と目標を持つことが大切だ」と熱く語った。

    ◇

 上野さんは退職金を元手に海外留学を果たしたが、限られた収入を趣味に充てることが難しい人も多い。

 県西部で活躍するファイナンシャルプランナーの佐藤静香さん(45)=浜松市中区=は「上野さんのように趣味を生かすためにも、定年前から早めに金銭計画などを立てることが必要」と話した。

 その上で「職場にいれば仕事があり、人とのつながりがあるが、定年後に居場所をなくしてしまう人が少なくない。マラソンや釣りなど軽微な費用で楽しめる趣味もあるので、精力的に外へ出ることが大切なのではないか」と提言した。

(鎌倉優太)

 

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