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しずおか生活帳

県産温室メロン2ブランド 「クラウン」一本化、道半ば

◆後継者不足悩み 生き残りへ統合探る

出荷間近のメロンの品質をチェックする静南支所の山下智久支所長=御前崎市池新田で

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 温室マスクメロンの生産量が日本一の県内で、専門の県温室農協(袋井市)が扱うブランドメロン「クラウン」と「アローマ」。同じ品種を用い、栽培方法も変わらないが、知名度や販売単価に格差が生じている。一大産地であり続けるためにもブランド統合を願う声が多いが、実現しないまま二十年来の懸案となっている。

 農協には県中西部の主産地ごとに四つの支所があり、かつてはクラウンメロン支所(袋井市)の「クラウン」のほかに、磐田支所(磐田市)の「磐田」、静南支所(掛川市)の「ダイヤ」、浜松支所(浜松市浜北区)の「クイーン」というブランド名があった。

 このうちクラウンは半世紀ほどの歴史を刻んでいるが、磐田と静南、浜松の三支所がアローマに統合したのは二〇〇三年六月。その際、クラウンへの一本化を望む声が多かったものの実現しなかったという。

 関係者の一人は「すでに単独でブランド力があったクラウン側にとって、統合の利点はなかった」とみる。別の関係者は「メロン農家はプライドが高く、(三支所側が)クラウンに頭を下げたくなかった」と指摘する。

 こうした経緯で誕生したアローマだが、販売単価は現在までクラウンが上回って推移してきた。農協の担当者は、果実六個入りの平均箱単価について「中元や歳暮といった需要期は、クラウンがアローマの二〜三割増し」と説明する。

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 強いクラウンへの統合を望む声がある一方で、ブランド料が高いとして、経費増を心配するアローマの生産者もいるという。静南支所の山下智久支所長(62)は「統合すると出荷場が遠くなるから生産をやめるとか、JAに切り替えると話す人もいる」と明かす。クラウン支所の関係者は「まずはアローマの三支所が協力して量を確保しないと、中元や歳暮で売れない」と自助努力を求める。

 ただ、生産者の高齢化と後継者不足は共通課題だ。農協の組合員は一九九〇年度の千五百四十五人が、二〇一五年度には四百五十六人に減った。九〇年度に二百五十八億五千九百万円だった売上高は、同じ二十五年間で四分の一近くに急減した。

 クラウンへの一本化に向けて、四支所の担当者が毎月話し合っているものの進展が見られない。山下支所長は「『静岡メロン』として売るには、生産者の人数を増やさなくては。他産地と勝負するには量が必要。安定供給しなければ産地ではない」と統合の必要性を強調する。

 元クラウンメロン支所長の鈴木和雄・代表理事組合長(67)は「出荷量が減っていくのは目に見えている。近い将来、ブランドを一本化しないと駄目だろうという予測はクラウン側にもある。解決しようと(組合員に)投げかけているのだが」と話す。

(河野貴子)

 

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