トップ > 静岡 > 地域特集 > くらしの知恵袋 > 記事一覧 > 2018年の記事一覧 > 記事

ここから本文

くらしの知恵袋

会議の進行役「ファシリテーター」 拍手と笑顔“潤滑油”

ワークショップの冒頭、緊張を解くため笑顔で拍手する参加者たち=島田市中央町で

写真

 話し合いが円滑に進むように導く「ファシリテーター」(進行役)の役割が近年、注目されている。議論下手ともいわれる日本人にとって、職場や地域などさまざまな場面でその役割が重宝され始めたためだ。ファシリテーターが参加してまちづくりを議論するワークショップで、こつを探った。

 訪問したのは、七月に島田市であったワークショップ「しまだ未来カフェ」。幅広い意見を市政に反映させようと市が企画し、高校生から七十代までの市民ら三十一人が参加した。ファシリテーターは「地域おこし協力隊」の加藤潤さん(39)ら五人で、市の養成講座でその方法論を学んで臨んだ。

 議論のテーマは「子育てしやすい街ってどんなまち?」。参加者は四、五人ずつグループに分かれてテーブルを囲んだ。

 「自分ばかり話しません」「頭から否定しません」「楽しい雰囲気を大切にします」。加藤さんらは冒頭、そんな三つのルールを掲げた上、「お互いの顔を見つめて、笑顔で拍手してください」とお願いした。

 参加者らは次第に打ち解けて会話が進み、笑いが随所に出るようになった。発言の後の拍手も頻繁に起こり、議論が活発化。最後には「子どもだけで安心して遊べる施設があるまち」「大自然で一日満喫できる体験ができるまち」といったさまざまなアイデアが発表された。

 議論を終えた同市神座(かんざ)の環境団体職員、天野正弘さん(62)は「世代が違う人とも楽しく会話ができた。上手な進行で意見を出しやすい雰囲気づくりをしてくれた」と進行役をたたえた。

 加藤さんは、多くの自治体で少子高齢化が進み税収が落ち込む中、「行政任せではいられなくなった」と時代の変化を説明。「市民が協働してまちづくりに関わるときに、いかに楽しく議論できる場をつくるかが大切になる」と、ファシリテーターの重要性の高まりを指摘する。

◆ワンポイントアドバイス 「楽しく」「否定しない」大事

活発な議論を促すファシリテーターの加藤潤さん

写真

 議論を成功させるため、加藤潤さんが意識するのは「楽しい雰囲気をつくること」に尽きるという。

 島田市のワークショップのテーブルには模造紙や付箋のほか、お菓子まで並んでいた。「堅苦しくなく進めるため」。そう話す加藤さんはサッカーのユニホーム姿だ。服装も雰囲気づくりの一部だという。

 参加者は、思い付いたことを付箋に書き出して模造紙に次々と貼り付けた。発言を「見える化」するためだ。全体の時間は三時間だったが、「五分で議論」「二十分でまとめ」などと細かく時間を区切り、テンポを良くしていった。

 話すことが上手な人に偏らないように、時間を細かく切って平等に発言してもらうことも重要。タイムキーパー役、発表役などと順番に役割を回して当事者意識をもってもらうと、一人一人の主体性を引き出しやすいという。

(古池康司)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索