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イチ推し

浜松の防災担う消防団 団員減る中で入団 その動機は 

訓練で正しい敬礼の仕方を学ぶ新入団員ら=浜松市東区の市総合産業展示館で

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 地域防災の要とされ、初期消火や災害時の避難誘導を担う消防団。東日本大震災を機に法整備が成され重要性が増した一方、全国的には団員数の減少に歯止めがかからない。あえて今、消防団の世界に飛び込んだ新入団員らに動機を聞いた。

 浜松、湖西両市消防団が二十日、浜松市東区の市総合産業展示館で開いた新入団員らを対象にした合同講習会。「右向けーっ、右」の号令の後、キビキビとした動作で新たな隊列が組まれ、正しい敬礼の仕方などを学ぶ訓練が続く。

 「二十歳を超えたら入団するのが当たり前との考えだった」と話すのは、天竜第一分団に入団した宮地丈汰さん(21)。消防団で活躍する父親の背中を見て育ってきた。「地域での担い手が減少する中で、自分がやるしかない」と使命感を燃やす。浜松第三十分団の福岡宏太さん(24)も団員数の減少や、地震や洪水などの自然災害の頻発化などを踏まえ、名乗りを上げた。

 同世代での横のつながりの広がりを期待するのは、天竜第二分団の近藤祐介さん(23)。「顔が広がれば、地元の祭りの打ち合わせなどでもコミュニケーションが取りやすい」。祭りも消防団も、「次世代へバトンをつないでいけるのは自分たちだけ」と話す。

 三十五歳を超えて、新たに地域貢献の一環として飛び込む団員も。浜松第二十一分団の望月洋平さん(36)は、子育ても一段落し、ようやく地域に目を向ける時間がとれるようになった。「自主防災組織に入っていたことや、同級生からの勧誘もあり、入団を決めた」と明かした。

◆担い手増へPR

 一九五六(昭和三十一)年には全国で約百八十万人いた団員は、少子高齢化や就業構造の変化などの影響を受けて、約八十五万人(二〇一七年四月現在)まで減少した。

 浜松市消防局によると、四月一日現在の市内の団員数は二千七百八十六人。定員の三千二百六十五人に対し実数で割った充足率は85・3%だ。二〇一三年度に三千人を割って以降、減少傾向が続く。

 市消防局では、地元大学や成人式などでのPRを通じ、新規団員の獲得に力を注ぐ。就職活動支援の一環として、希望する団員には、活動実績を証明する認証状を発行。県は各市町で「消防団協力事業所」として認定された事業所には、百万円を上限に事業税額の二分の一に相当する額を控除している。

 常勤の消防職員の約九百人に対し市内の団員数はおよそ三倍。全国二位の面積を誇る市の特性も踏まえ、市消防局消防総務課の宮本忠明専門監は「消防団の地域密着力と、現場に大勢の団員がすぐに駆けつける動員力は心強い」と話した。

 <消防団> 消防組織法に基づき各市町村に設置された市民らによる消防機関。団員は非常勤特別職の地方公務員として扱われ、会社員や自営業者などが「二足のわらじ」として消火や捜索活動などに当たる。浜松市の場合、市内在住在勤の18歳以上の男女が対象で、最も低い階級では年額3万6500円、災害出動1回につき3000円が支給される。

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角野峻也記者(東海本社報道部)

 川崎市出身の記者8年目。29歳。仕事柄、火事現場で取材をすることもあるが自分の仕事を放り出して現場にすぐに駆けつけ、地域のために消火活動や交通整理に取り組む団員らには頭が下がる。ありがとうございます。

 

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