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清香探撮(せいこうたんさつ)

富士山 (4)ウイスキー熟成庫 樽の中で天使が味見

エンゼルシェアの香りで満たされたウイスキー樽の熟成庫=御殿場市のキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所で

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 熟成庫に足を踏み入れた瞬間、濃厚なウイスキーと樽(たる)の香りに包まれた。経験したこともない強さ。中は十階建てビルほどの高さがあり、十八段もの樽を積み上げることができる。

 大麦麦芽が原料のモルトウイスキーと、トウモロコシが原料のグレーンウイスキー。御殿場市のキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜(じょうりゅう)所では、仕込みからボトリングまでの全工程を行う。

 富士山の中を五十年もの歳月をかけて通る地下水を使い、原酒はオーク樽の中で何年もかけて熟成されていく。標高六二〇メートルの冷涼な地で、霧による湿度も長期熟成に適しているという。

 蒸留器から出た原酒は無色透明。何年もの眠りの中で少しずつ揮発し、一年で3%ほどが消える。おいしいウイスキーができるためのエンゼルシェア(天使の分け前)と呼ばれる。

 眠りから覚めるころ、ウイスキーは樽の命を授かって琥珀(こはく)色に輝き、独特の甘みやこくを醸し出し、華やかな香りになる。

写真・文 立浪基博

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