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清香探撮(せいこうたんさつ)

酒造り (5)搾り 一滴一滴が春まとい

もろみは布の袋に入れられ、「しずく取り」で搾られる。大吟醸がしたたり落ちる=藤枝市の志太泉酒造で

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 丹精して育てたもろみがパイナップルを思わせる爽やかな香りを放つ。布の袋に入れてつり下げると、ろ過されたしずくがしたたる。志太泉(しだいずみ)酒造(藤枝市)が蔵元の威信をかけた大吟醸の搾りが始まった。

 白い液体になったもろみをこして、生酒と酒かすに分ける。ヤブタ式と呼ばれる自動圧搾ろ過器を使うことが多いが、いい酒は高い圧力をかけないよう布の袋にもろみを入れて重ねて搾る「槽(ふね)搾り」。もっといい酒は、自然にしたたり落ちる「しずく取り」で搾る。

 生酒は酸化が速い。「急いで、スピード」と杜氏(とうじ)の西原光志(こうじ)さん(44)が蔵人にハッパを掛けた。しずくはすぐに一斗(約十八リットル)瓶に集められる。

 西原さんが一合の猪口(ちょこ)に搾りたてをくんで社長の望月雄二郎さん(49)に手渡した。寒仕込みに明け暮れた約四十日の結果が出る。「花のような香り。口に含んでも香りがいい。味はフルーティーで全国新酒鑑評会でも戦える」。口にした瞬間、望月さんの目が輝いた。

写真・文 立浪基博

(「酒造り」編を終わります)

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