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清香探撮(せいこうたんさつ)

酒造り (3)こうじ室 付きっきり「子育て」

こうじは小さな木箱に移され、蔵人がていねいに「盛り」をする=藤枝市の志太泉酒造で

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 寒気にさらされる志太泉(しだいずみ)酒造(藤枝市)の軒下で蒸された酒米が、こうじ室に入った。こうじ菌を振りかけ、二昼夜と半日かけてこうじを造る。室内は気温三〇度以上で湿度も高い。たちまちカメラのレンズが白く曇った。

 酒米が布に巻かれて二十二時間。杜氏(とうじ)の西原光志(こうじ)さん(44)が切りくずしを始めた。固まりのようだった米が、ぱらぱらとほぐれていく。木箱に少量ずつ移され「盛り」という作業に入った。子どもの頭をなでるようにして均等に広げられた。

 それからさらに三十〜四十時間後、こうじ室を出る頃には、酒米は蒸し米の匂いから、クリのような香りに変わる。

 酒造りは「一こうじ、二もと、三造り」と言われる。人で言うなら「三つ子の魂百まで」。大事な時期の子育てと同じだ。ちょっと過保護だが、熱が上がれば冷まさなくてはならず、こうじ菌が繁殖する間は、蔵人が付きっきりで世話をする。仕込みは酒の味を左右する勝負どころに差し掛かった。

写真・文 立浪基博

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