トップ > 中日新聞しずおか > 清香探撮(せいこうたんさつ) > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

清香探撮(せいこうたんさつ)

酒造り (2)酒米の蒸し 外硬内軟 ため込む力

熱い湯気が立ち上る中、蒸し上がった酒米を大釜から出す蔵人ら=藤枝市の志太泉酒造で

写真

 志太泉(しだいずみ)酒造(藤枝市)の軒下のような場所で酒米の蒸しが始まった。午前四時半、あたりはまだ暗い。寒気が太平洋側まで張り出し、寒さが身に染みる。

 前日、適度に水を吸わされ、蔵で一晩眠った酒米もたたき起こされる。直径二メートル、高さ一メートルほどの大きなせいろのような和釜に投入。水蒸気が上がると、ご飯を炊く香りがあたり一面に広がった。三百〜五百キロもの酒米が一度に蒸されていく。約五十分、蒸しが終わるころには、香りは干し草のように変わった。

 「酒米は外硬内軟(がいこうないなん)という状態に蒸し上げます」と望月雄二郎社長(49)。米粒の外側は硬く、内側は軟らかく蒸し上げると、こうじ菌の菌糸が米の表面には広がりにくく、内側に向かって伸びていく。状態が変わらないように、酒米はすぐに放冷機で冷まされた。

 蒸し上がったばかりの米を口に含んでみた。芯は無いが硬く、しばらくかまないと味がしみ出してこなかった。発酵していい香りを放つ力を体内にため込んでいるようだ。

写真・文 立浪基博

写真
 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

バックナンバー

2018

 
 

Search | 検索