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清香探撮(せいこうたんさつ)

酒造り (1)洗米 水調節、秒単位の作業

洗米でぬかを含んで白く濁った水が流れ出す。その横で杜氏(右)がストップウオッチで吸水時間を計る=藤枝市の志太泉酒造で

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 藤枝市の志太泉(しだいずみ)酒造は市北部の高根山(八七一メートル)を水源とする瀬戸川の伏流水をくみ上げて仕込みに使う。軟らかさは県内屈指という軟水で穏やかに発酵させると、軟らかな日本酒が出来上がる。

 酒米の洗いが始まった。洗米機に十キロを入れる。気泡の力でぬかを浮かし、勢いよくシャワーを当てて洗い流す。洗米機からあふれ出てきた大量の水が川のように床を流れ、あたりは米ぬかの匂いに包まれた。

 水に触れた瞬間から、酒米は水を吸い始める。ステンレス製のざるに移され、大きなたらいの中でさらに浸漬(しんせき)。その横で、能登杜氏(とうじ)の西原光志(こうじ)さん(44)がストップウオッチとにらめっこを始めた。正確な目標水分を米に吸わせる工程「限定吸水」。酒米の品種、精米歩合で時間を変えていく秒単位の仕事だ。

 この日の洗米は三百キロ。「しっかり洗うことで、お酒本来の香りが引き立ってくる」と西原さん。その小さな体内から、やがて爽やかな吟醸香を放つために、酒米は水の力を借りてぬかの匂いを脱ぎ捨てた。

 写真・文 立浪基博

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