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清香探撮(せいこうたんさつ)

資生堂 (1)香水瓶 華やぎ包む「芸術品」

 新年から夕刊写真連載「清香(せいこう)探撮」を始めます。県内のさまざまな香りにカメラで迫ります。

バカラ社製の「運命」(1921年・中央)、ルネ・ラリック作の「牧神のキス」(1928年・左奥)、高台寺蒔絵を参考に制作された資生堂の「Zen」(1964年・右端)など、芸術品といえる香水瓶=掛川市の資生堂企業資料館で

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 香水が最も華やかだった一九二〇〜四〇年代を中心に、香水瓶約三百点が資生堂企業資料館(掛川市)に保管されている。隣にあるアートハウスの福島昌子学芸員はこの時代の香水を「中身だけでなく、瓶やラベル、外箱、名前に至るまでの芸術品」と定義する。

 一九〇〇年前後、バラやハーブなどの天然香料とは別に、人工的な合成香料が開発された。香りは複雑になり、銘柄は増えた。香りを視覚によってイメージさせ、個性と付加価値を与える大きな役割を担ったのが香水瓶。代表格が、クリスタルガラスの成型技術に秀でたバカラ社(フランス)であり、ガラス工芸家ルネ・ラリック(同)だった。

 ガラス自身が輝いているようなカット、手にするだけで華やぐデザイン。限定品を思わせる豪華な香水瓶が大量生産されていた。瓶に液が残っていればすべて嗅いだという福島さんは「まだ陶然とする香りを放つ香水もある」という。香りが今に伝わるのは、その容器が香りを劣化させない精巧さと芸術品の美しさを兼ね備えていたから。

写真・文 川戸賢一

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