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常葉大菊川8強逃す 主将・奈良間「悔いなし」

◆最後まで強振貫く

常葉大菊川−近江 9回表常葉大菊川無死、奈良間が左越えに三塁打を放つ=甲子園球場で

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 最後までフルスイング野球とノーサインを貫いた。第百回全国高校野球選手権大会第十三日の十七日、近江(滋賀)に4−9で敗れてベスト8入りを逃した県代表の常葉大菊川。序盤から相手の好投手に打線が沈黙し、近江に長打を許してリードされる展開。九回まであきらめずに自分たちのプレーをしたナインに、アルプス席から「ありがとう」とねぎらう声と温かい拍手が続いた。

 主将の意地だった。8点を追う九回無死、先頭打者の奈良間大己主将(三年)が、バットの先に当てた直球は左翼手を越えた。俊足を生かして三塁に達した瞬間、うれしさのあまりこぶしを地面にたたきつけた。

 八回まで三打席全て凡退。静岡大会で打率8割超を残したが、「外に逃げる球が見えず苦しんだ」と相手投手の球に手が出なかった。投手が変わった九回、長打を放ち「最後に打てて、心からうれしかった」と喜んだ。

 ずっと菊川野球に憧れていた。自宅は学校から自転車で五分。通っていた幼稚園は学校のすぐ下にある。小学校に入る前、当時のエースだった田中健二朗選手=現DeNA=が幼稚園を訪れた。田中選手のようになりたくて、菊川入学を夢見ていた。

 憧れた学校の野球部で主将になった。「あいつになら付いていきたい」と仲間に言わせるほど、誰よりも声を出して練習する努力家。「自分の長所は声だけ」と、練習中も声が裏返るほどあいさつや号令をかける。試合中に主将から積極的にユニホームを汚す泥くささは「奈良間スタイル」とチームで呼ばれている。

 甲子園では初戦で本塁打。「静岡のジーター」とたとえられ、二回戦では鉄壁の守備で4併殺を奪いチームに力を与えてきた。強力打線の立役者になり、三回戦でも最後に粘りのフルスイングを見せつけた。

 ベスト8を逃しても涙はない。「主将で甲子園に来て、ここまで勝ち進めて本当に良かった。悔いはないです」。とびっきりの笑顔で、最後の夏に終わりを告げた。

◆2年伊藤 つなぐアーチ

常葉大菊川−近江 9回表常葉大菊川2死三塁、2ランを放ちガッツポーズで塁を回る伊藤=甲子園球場で

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 来夏につなげる粘りの一打だった。九回2死三塁で打順が回ってきた伊藤勝仁(まさと)選手(二年)は「正直、少しプレッシャーだった」。

 この回は奈良間大己主将(三年)が三塁打、さらに1死から犠飛で1点をかえし、2死から四番根来龍真選手(同)も三塁打と活躍。「球場も沸いていたし、後ろにつなぎたい。ただそれだけだった」。ファウルで粘って8球目に狙っていた直球を振ると、打球は大きな弧を描いて左翼席へ。

 右手を挙げながら本塁にかえり、仲間と一緒に雄たけびをあげた。「入ったのは分かった。いつも以上に力が出た」と振り返った。

 静岡大会では打率1割7分で悔しい思いをしたが、甲子園の二試合では8打数4安打と好調だった。「チームに貢献したかったので良かった。これまでの野球人生で、一番幸せでした」

 三年生との野球が終わり、新チームとしてこれから動きだす。「三年生が連れてきてくれた甲子園。今度は自分がサポートして甲子園に行く雰囲気をつくる」と誓った。

(福島未来)

▽3回戦=第1試合

常葉大菊川000000103|4

近 江  10102023x|9

本塁打 伊藤(菊)

 

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