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全国初 つぼ型人物埴輪 浜松・郷ケ平古墳群出土

胸の辺りがつぼ型の灰色の人物埴輪=9日、浜松市役所で

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 浜松市は九日、北区都田町の郷ケ平(ごうがひら)古墳群の六号墳(全長二十三メートル)で出土した埴輪(はにわ)が、全国初とされる上半身がつぼ型の人物埴輪だったと発表した。静岡県遠州地方の須恵器(すえき)職人が、愛知県尾張地方の職人の影響を受けて作ったと推定され、「東海地方の特色のある埴輪制作を知る上で、貴重な発見」としている。

 市文化財課によると、六号墳は前方後円墳で六世紀前半の築造とされる。市は二〇一三年度から発掘を始め、これまで九点の人物埴輪を発見し、三点の復元に成功した。

 人物埴輪は最大で高さ七十五センチ、幅二十三センチ。全国各地で発掘された通常の人物埴輪は胸が平らだが、六号墳の埴輪は胸の辺りがつぼのように丸みがある。色も特徴があり、一般的には赤茶色だが、須恵器の焼き方を用いているため灰色をしている。

 須恵器は四世紀末〜五世紀初頭ごろ、朝鮮半島から渡来人が日本にもたらした灰色の土器。ろくろで形作られた後、一〇〇〇〜一二〇〇度の窯で焼かれるため、大量生産が可能な土器として日本列島各地に普及した。古墳時代は日用品のほか、古墳の祭具や副葬品としても使われた。

 通常は埴輪職人は埴輪、須恵器職人は須恵器と分業だが、尾張地方では須恵器職人が埴輪の制作に関わった事例がある。

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 今回の人物埴輪は百キロほど離れた両地方間で技術交流があり、遠州地方でも須恵器職人が埴輪を作ることになったとされる。その上で、理由は不明だが、形状をつぼ型に工夫し、他では見られない埴輪を作り上げた。

 三重県埋蔵文化財センター(同県明和町)の穂積裕昌主幹は「東海地方での埴輪制作は大体、六世紀中ごろまでで終わる。埴輪職人が減っていく中で須恵器職人が垣根を越え、埴輪制作に参入したことを示している。つぼ型という工夫を加えている点も面白い」と意義を語った。

 六号墳では、他にシカや馬の埴輪など約七十点が出土した。浜松市地域遺産センター(北区引佐町)で十日〜九月二日に人物埴輪一点を先行展示し、九月八日〜十一月四日に企画展を開き、七十点を展示する。入場無料。問い合わせは同センター=電053(542)3660=へ。

(篠塚辰徳)

 

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