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中日レディーズサロン

第200回 元女子マラソン選手でスポーツジャーナリスト 増田 明美さん 「自分という人生の長距離ランナー」

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 第二百回中日レディーズサロン(中日新聞東海本社主催)が七月三日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であり、元女子マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さんが「自分という人生の長距離ランナー」と題して講演した。

 私は一九八四年のロサンゼルスオリンピックのときが一番苦しかった。女子マラソンが初めて採用されたんですが、リタイアしちゃって。成田空港で、通りすがりの人に「非国民」と指さされ歩けなくなった。皆が「非国民」って言ってるように感じ、三カ月くらい引きこもりました。

 そんなとき、手紙に助けられた。人生はもっと長いから元気出して頑張りなさいって。アメリカの経験も大きかった。二年間、オレゴン州の大学に留学したんです。オリンピックの金メダリストらは日常生活も楽しむ競技者。一方の私は良い結果にこだわり、結果が出ないと駄目になる。コーチから、生きていてハッピーだと思うときに良い結果が出ると言われ、考え方が変わった。

 コーチの言葉と同じだと感じたのが、論語の「知好楽」。マラソンを知っているだけでは好きな人にはかなわないし、楽しむ人はさらに上を行く。私は、公務員ランナーの川内優輝さんから感じる。四月のボストン・マラソンで日本人として三十一年ぶりに優勝した。大雨、強風、寒さと三重苦そろってたんですが、川内さんは浮き浮き。自分は天才少女と言われ二十歳でオリンピックに出たけど、知っているだけだったから結果に結び付かなかった。

 アメリカも経て、けじめをつけようと大阪で走った。「おまえの時代は終わったんや」と沿道の声に負けて歩いたけど、市民ランナーに励まされ、競技場に戻れた。初めて走りながら泣いた。その後、東京国際女子マラソンで日本人トップになって「復活」って書いてもらえた。

 人生において、元気のない人がいたら、水飲むとか声を掛けて。誰もが自分の目標に向かって生きているわけだから、励まし合って生きていけたらハッピーですよね。

 ますだ・あけみ 1964年、千葉県いすみ市生まれ。84年にロサンゼルス五輪女子マラソンに出場。92年に引退するまでに日本最高記録を12回マーク、世界最高記録を2回更新。スポーツジャーナリストに転身後は新聞や雑誌への寄稿、マラソンや駅伝大会の中継解説など幅広く活躍している。著書に「認めて励ます人生案内」などがある。

 

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