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中日レディーズサロン

第197回 俳優 紺野美沙子さん 「自分らしく豊かに生きるために 〜女優業、家庭、親善大使の経験から〜」

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 第百九十七回中日レディーズサロン(中日新聞東海本社主催)が一月十九日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であった。俳優の紺野美沙子さんが「自分らしく豊かに生きるために〜女優業、家庭、親善大使の経験から〜」と題し、豊かな心の持ちようを説いた。

 浜松といえば、とても懐かしい思い出がある。二十代前半の時、浜名湖周辺を舞台にした「めぐり逢(あ)いて」という、ヤマハのピアノ工場に勤める男女の悲恋を描いたドラマに出た。三ケ日やフラワーパークなどで撮影した。方言にとても苦労した。久しぶりに浜松に来られてうれしい。女優という仕事は、役柄を通じてさまざまな時代の女性の生き方を疑似体験できる。本当の自分だったら言えないせりふを表現できるのは、とても面白い。

 今から二十年前に、国連開発計画の親善大使のお役目をいただいた。他の国際機関や国々から支援を受けている途上国が一つの国として自立するまで応援する機関で、選挙制度や司法制度、学校や道路、病院をつくるなど幅広い援助をしている。私は途上国を訪問して国や援助の様子を見せてもらい、小中学校で伝える広報を担っている。

 小学校にさえ行けない子どもたちが世界に約五千七百万人いるといわれている。そうした子たちは、大人になっても読み書きや計算ができず、満足な収入を得られる仕事に就けない。ずっと貧しいまま。生を受けた場所の違いで格差がある。それを埋める努力をしないと平和は訪れない。日本の子どもたちには、学校で勉強できるのはありがたいこと、「やれることがある」ということを伝えたい。

 心の豊かさを大事にするブータンを訪問して、幸せについて考えた。周りと比べることなく、自分が置かれた場所で、与えられた役割をこつこつと続けていくことが幸せだと思った。

 急に国際協力じゃなくても良い。自分が大事なのは当たり前。家族や地域、できる範囲で良いので、限られた時間の一部を、みんなのために使おう。そういう仲間を増やしていけば、ものすごく大きな力になる。

 そうした中で、私が始めたのが朗読。声を出すことは健康に良いし、美しい日本語を声に出すと、気持ちが浄化される。良い文章を読むことで想像力、相手を思いやる力が培われていくと思い、続けている。

 こんの・みさこ 東京都生まれ。1980年、大学在学中にNHK連続テレビ小説「虹を織る」のヒロイン役で人気を博す。テレビ、映画、舞台で活躍する一方、98年に国連開発計画の親善大使に任じられ、アジアやアフリカ各国を視察するなど国際協力の分野でも活動する。2010年から朗読座を主宰。音楽や影絵、映像といったアートと朗読を組み合わせたパフォーマンスを全国各地で公演している。

 

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