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中日レディーズサロン

第195回 愛知専門尼僧堂長 青山 俊董さん 自分次第で世界は変わる

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 第百九十五回中日レディーズサロン(中日新聞東海本社主催)が十一日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松で開かれた。愛知専門尼僧堂(にそうどう)(名古屋市)の堂長を務める青山俊董さん(84)が「たった一度の人生をどう生きるか」と題し、生きるヒントを語った。

 人生は幸せを求める旅。問題は幸せを何とするかで人生は大きく変わる。インドに恥をかく、義理を欠く、欲をかく「三かく長者」がいた。一代で財産を築いたが、「いざという時に財産を持っていけない」と寄る年波で気づいた。そこで息子に、葬式では棺(ひつぎ)の両端に穴を開けて手を出すよう頼んだ。これほどかき集めても、逝く時は空手だと示した。みなさん、「こうなったら幸せだ」と思うことを書き出してみて。いざという時に持っていけるか、点検してみると良いですね。

 エリートコースを走るだけの人生を歩むと、おごり高くて、失敗に弱い人間になる。失敗は恥ずかしくない。むしろ、失敗にこだわって立ち上がれないのが良くない。失敗を跳躍材にして、人よりもっと立ち上がれたら良い。失敗した人の悲しみが分かる人、成功や失敗にばたばたしない人になれたら素晴らしい。

 全ての人は時間という財産を平等にもらっている。昨年十二月に亡くなった(岡山市のノートルダム清心学園理事長の)渡辺和子さんは昔、大シスターに「あなたはどういう気持ちで皿を並べているのか」と問われたという。つまらないと思いながら皿を並べたら、かけがえのない命をつまらなく使ったことになる。ロボットのように並べたら、むなしく使ったことになる。お幸せにと祈りながら並べたら、愛と祈りにつながる。時間の使い方は命の使い方。世に雑用はありません。

 定年退職後の夫婦二人暮らしにやりきれなさを感じるおばあちゃんが相談に来た。「三日だけで良いから、夫に感謝を伝えて」と話したら、翌日、「家内を変えた先生に会いたい」と夫から電話がかかってきた。自分の中の鬼が相手の中の鬼を引っ張り出し、相手を鬼にした。相手のおかげで、自分の方が鬼だったと気づかせてくれたと拝むことが大事。無理をしてでも仏を出す。自分が変われば、世界も変わる。

 「松陰のくらきは月の光なり」。黒々と陰が浮き出るのは、月が明るい証拠。自分の欠点に気づかせてもらえたことを喜び、軌道修正を無限にしながら人生を歩みたいものですね。

 あおやま・しゅんどう 1933年、愛知県一宮市生まれ。5歳で長野県塩尻市の曹洞宗無量寺に入門。15歳で得度し、正法寺・愛知専門尼僧堂で修行。この間、駒沢大仏教学部、同大学院に学ぶ。曹洞宗教化研修所を経て、64年愛知専門尼僧堂に勤務、76年から堂長。2006年、仏教伝道文化賞功労賞を受賞。09年、曹洞宗の大教師に尼僧として初めて就任した。参禅指導や講演などを通じて分かりやすい禅の普及に努める。

 

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