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東海本社 中日懇話会

第422回 静岡福祉大名誉教授 小田部雄次氏 「今上天皇の退位とこれからの皇室」

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 第四百二十二回中日懇話会が五月二十三日、浜松市中区のグランドホテル浜松であり、皇室史に詳しい小田部雄次・静岡福祉大名誉教授が「今上天皇の退位とこれからの皇室」と題して講演した。

 今上天皇の退位の議論が浮上したとき、天皇陛下と総理大臣の間で行き違いが多いなと感じた。例えば、国際情勢を見るとアメリカと北朝鮮の問題、キリスト教とイスラム勢力の対立など安定していない。その中で政治は選択を迫られるが、軍事費が毎年のように上がっている。一方で皇室側としては、再び国民を戦争に巻き込む中心になりたくないと思う。そこにずれがある。

 天皇陛下の退位の「おことば」は、国内に動揺が広がった。問題なのは皇位継承。現行では、皇位継承者を父方に天皇を持つ「男系男子」に限っているが、無事に男子が生まれるかなど難しい現状がある。旧宮家を皇族復帰させたら、と言う声もあるが、法律をつくるなどハードルが高い。

 天皇の在り方を巡り、戦後民主主義の旗手としての今上天皇に疑念を持つ人のほか、天皇は本来、元首であり、憲法にそう規定するべきだと言う人もおり、識者の間でもさまざまな意見が出ている。

 いまの憲法改正論議は防衛問題に集中しているが、皇位継承や、天皇は象徴か国家かなど、こういった問題も含め慎重に議論してほしい。

 おたべ・ゆうじ 1952年東京都生まれ。立教大大学院文学研究科博士課程満期退学。専門は日本近現代皇室史。2004年4月から静岡福祉大教授。18年4月から同大名誉教授。「天皇と宮家」「近現代の皇室と皇族」など著書は多数。

 

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