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東海本社 中日懇話会

第421回 PRプロデューサー 殿村 美樹氏 「ブームをつくる 人がみずから動く仕組み」

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 第四百二十一回中日懇話会が四月二十七日、浜松市中区のホテルコンコルド浜松であり、PRプロデューサーの殿村美樹さんが「ブームをつくる 人がみずから動く仕組み」と題して講演した。

 約三十年間、地方にこだわり続けたPR(パブリック・リレーションズ)をしてきた。PRは日本人の七割を占める地方在住者、日本の99・7%を占める中小企業を元気にする特効薬。お金を使わず、いつの間にかイノベーションを起こせる。この「いつの間にか」が大切。『北風と太陽』という童話がある。広告は北風、PRは太陽。人が自ら動く仕組みをつくる「太陽の戦略」を立てることだ。iPhoneが好例。客が真夜中に並び、奪い合うように買う様子をメディアで発信した。人々に「使わなければ」と思わさせることで、飛ぶように売れた。

 京都の等持院に足利尊氏の墓がある。すごく小さな墓で驚いたが、当時は逆賊とされたためひっそりとつくられた。ただ、天国の尊氏から見ると、日本一美しい墓になるよう墓を中心に配した庭園が造られたという。本質と目的を見定めて思い込みや常識をずらす。時代が変わる中、見え方が変わっただけ。本質を変えずに、見方を変えれば、ブレークする可能性がある。

 「デザインを考えているのに、美濃焼が売れない」という相談がきた。「お家ごはん」に注目してダイエット用の「百キロカロリー茶碗(ちゃわん)」を造った。新聞やテレビに取り上げられ、意外な所からも電話があった。一生懸命考えたデザインに目を付けたパリからだった。茶碗は呼び塩。「一引き、二運、三器量」という言葉があるが、どんなに良い物を作っても、引きと運がないとだめ。インパクトとタイムリー性を絡めるとともに、強みに直結する物を作らないといけない。

 感情をつかさどる「情」にインパクトを持っていくと良い。例えば、彦根城築城四百年祭のひこにゃん。滋賀県から城の入場者数アップを頼まれたので女性の情に着目した。女性は誰かと一緒に来て物を買うし、口コミ力もある。母性本能をくすぐるキャラクター「ひこにゃん」を中心にしたストーリーに組み立てた。

 ひこにゃんは今や市のキャラクターになり、地元の誇りになっている。その後でくまモンやふなっしーが登場しても、人気が続き、文化に昇華した。

 とのむら・みき 1961年、京都府宇治市生まれ。大手広告代理店、PR会社に勤務。92年にPR会社「TMオフィス」を設立した。長崎県佐世保市のご当地バーガー「佐世保バーガー」や日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」など約三千件の地方PRを手掛ける。現在、世界で唯一生食できる静岡市のサクラエビのPRに奔走。

 

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