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東海本社 中日懇話会

第420回 サイエンス作家 竹内 薫 氏 「人工知能(AI)の進化〜共存し、生き残る道とは〜」

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 第四百二十回中日懇話会が三月二十日、浜松市中区のオークラアクトシティホテル浜松であり、サイエンス作家の竹内薫さんが「人工知能(AI)の進化〜共存し、生き残る道とは〜」と題して講演した。

 AIという言葉が最近、新聞や雑誌でよく出てくる。AIやIoT(モノのインターネット)、ビッグデータを総称した第四次産業革命が世界中で進行しているが、日本は乗り遅れている。

 AIやロボット、IoTで、人間の仕事の半分が消えるといわれている。米国では会計士が失業して大変と聞く。会計士を一人雇うか、AIの会計ソフトに置き換えるか。後者の方がコスト削減になる。AIへの流れは止められない。ただ、経営コンサルティングができる会計士は生き残る。

 IoTはAIと切っても切れない。最近、掃除機に脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった。ネット経由で乗っ取られる恐れがあるという。勝手に掃除機が動くだけではなく、カメラ付きだと家の中が丸見えになる。IoTはスマートフォンでコントロールできるため、掃除機を土台にスマホの中の個人情報が抜かれてしまう恐れもある。

 二〇四五年に、シンギュラリティ(AIが人類の知能を超える転換点)が来るという仮説がある。AI研究者の大半は同年までに自意識を持たないというが、物理学や数学など周囲領域の科学者は来るとみている。僕もそう思っている。

 全世界のものすごい数の人がAI研究に没頭し、企業も生き残りをかけており、加速度的にきている。ただ、AIに意識を持たせるには、生物の意識のメカニズムの解明が先にある。それをAIに組み込む流れだが、現状の脳科学では解明されていない。だから、時間がかかると予測している。ただ、ある日突然、創発的にAIに意識が芽ばえる可能性も否定できない。

 東大を受験するAI「東ロボくん」は英語の穴埋め問題や歴史の年代、計算問題が得意だが、文脈を理解するのが苦手で、論述問題が解けない。

 人間はどうすれば良いのか。パターン化する仕事は人工知能がやる。コミュニケーションやコンサルティングは人間がやる。人間は創造性を発揮する仕事で生き残るしかない。

たけうち・かおる 1960年東京都生まれ。東京大教養学部教養学科・理学部物理学科卒業。カナダ・マギル大大学院博士課程修了。ベストセラー『99・9%は仮説〜思いこみで判断しないための考え方』など、物理学の解説書や科学評論を中心に著書多数。

 

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