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静岡経済 特集

ロールちゃんの工場見学日記 ヤマ十増田商店(焼津市)

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 魚のまち、焼津市に来ました。遠洋漁船が日本のずっと南の赤道近くでカツオを取って、冷凍したまま焼津港に運びます。市内には多くのかつお節工場があります。明治創業のヤマ十(じゅう)増田商店で、昔ながらの方法で製造する様子を、専務の増田優介さん(35)が案内してくれました。

◆かつお節伝統製法で

カツオを並べたせいろの下で火をおこし、煙でいぶす伝統の「手火山式焙乾」の工程=焼津市で

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 −かつお節はどのような順序で作るんですか?

 冷凍カツオを回転する丸いのこぎりの付いた機械のヘッドカッターを使って、一匹ずつ頭を取ります。そのまま水槽で解凍した後、包丁を使ってさばきます。大きなまな板の上で内臓を取って背びれなどをそぎ、三枚におろします。一日にさばく数は二百五十〜四百匹(計一トン)くらい。切った身はかごに並べて釜に入れ、一時間半から二時間煮ます。

 −おいしそうなにおいがするよ!

 煮た後は水を張ったタンクに移します。ピンセットのような道具の「骨抜き」を使って手作業で骨を一本ずつ抜いて、皮も半分ほど残して取り除きます。ここから木製のせいろに並べ、「手火山式焙乾(てびやましきばいかん)」に移ります。

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 −てびやましき…?

 せいろの下で薪(まき)を燃やして煙を立て、いぶしながら香りを付ける工程です。五段重ねのせいろの上下を入れ替えながら、満遍なく煙を当てることで、しっかりとした香りに仕上がります。創業から続く伝統の方法なんですよ。

 −暑くて汗が止まらないけど、この一手間が肝心なんだね。

 次はさらに鉄製のせいろに並べ替え、「急造庫」という大きな蔵のような所に移します。火をおこしては冷ますという作業を一カ月余り繰り返し、カツオの水分を出してしっかりと乾燥させます。

 −カチカチに固まったかつお節の完成だ!

 こうしてできたかつお節を荒節(あらぶし)といいます。ほかに、荒節にかびを付けて天日干しを繰り返す本節(ほんぶし)もあります。香りの強いだしがとれる荒節はみそ汁やそばつゆ、まろやかな味の本節は素材を生かした和食に使うのがお勧めですね。

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 −ところで、余ったカツオの頭とかはどうなるの?

 頭や骨は農業の肥料、煮汁は調味料のエキスとして活用されます。内臓は塩漬けにして酒盗(しゅとう)、かつお節として使わないおなか部分のハラモは燻製(くんせい)になります。お酒とよく合いますよ。

 −海の恵みを余さずいただく、これも日本伝統の文化だね!

(西山輝一)

 <メモ> 焼津市小川新町5の4の9。1887(明治20)年創業で、屋号は「やまじゅう」。削り節などを販売する直営店も工場に併設している。見学は予約制。会社のホームページからも申し込める。問い合わせはヤマ十増田商店=電054(628)3677=へ。

 

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