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静岡経済 特集

ロールちゃんの工場見学日記 明治屋醤油(浜松市浜北区)

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 浜松市浜北区にある一八七五(明治八)年創業の老舗「明治屋醤油(しょうゆ)」の建物は、とても古くて趣があります。四季の温度変化に委ねる天然醸造のしょうゆ造りを守り続けています。店舗兼主屋などは歴史的価値が高いとして、国登録有形文化財になっています。案内役は五代目社長の野末一宏さん(63)です。

◆天然醸造にこだわり

もろみから搾ったしょうゆを容器に入れて持ち帰れる搾り体験=浜松市浜北区小松で

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 −しょうゆの原料は何ですか?

 主に大豆と小麦、食塩です。大豆は富山県産が中心で、小麦は主に北海道産だね。限定品の「蔵出し」は地域の原料にこだわり、自社農園で栽培した茶大豆や小麦を使っています。

 −どうやって造っているのかな?

 まず大豆を水に一晩漬けてから蒸し、いって細かく砕いた小麦と混ぜ合わせます。これに「こうじ菌」を混ぜ、温度と湿度を管理した「室(むろ)」に三日間置いて菌を増やします。食塩水を混ぜて「もろみ」を造り、もろみ蔵の大きなおけの中で仕込むんだ。

 −香ばしいにおいが漂ってくるね。仕込みの期間はどのくらい?

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 一年半から三年間かけて自然熟成、発酵させます。蔵には明治時代の杉おけもあります。深さは約三メートル。もろみは生きているから、酸素を送り込んで発酵を促すかくはん作業が欠かせません。夏は一週間に一回、冬は二週間に一回かき混ぜているよ。とても体力がいる作業なんだ。

 −手間暇をかけているんだね!

 古い蔵には特有の微生物がすみ着いていて、味わいが違ってくるというよ。熟成期間が半年というメーカーもあるけど、じっくり熟成することで、こくとうま味が引き出されるんだ。

 −熟成が終わった後はどうするの?

 もろみを搾る工程です。布で包み、一回目はもろみの重さで自然に垂らし、二回目は機械で強い圧力をかけて搾り出します。最後に「火入れ」といって加熱するよ。微生物を殺菌して保存性を高めるほか、香りや色を増す効果もあるんだ。搾りかすは、牛の飼料にしているよ。

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 −せっかくだから、しょうゆ造り体験をしたいな。

 希望者は搾る工程を体験できるよ。木製の専用器で圧力をかけると、しょうゆがゆっくり、ポタポタと流れ出てきます。しょうゆ造りへの理解がより深まると好評だよ。搾りたての生じょうゆは、持ち帰ることができるんだ。

(瀬戸勝之)

 <メモ> 浜松市浜北区小松2276。事前予約が必要。最大20人まで。見学のみ無料、しょうゆ搾り体験は1080円(小瓶付き)。所要時間は体験も含めて1時間半。遠鉄遠州小松駅から徒歩15分、東名浜松インターから車で20分。問い合わせは明治屋醤油=電053(586)2053=へ。

 

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