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静岡経済 特集

ロールちゃんの工場見学日記 鈴木楽器製作所(浜松市中区)

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 皆さん、はじめまして。ロールです。昨年末に印刷を始めた浜松市北区の中日新聞都田工場で、見学コースの案内をしています。わたしはトイレットペーパーに似ているけれど、巻き取り紙といって新聞のもとになる紙なんですよ。皆さんは毎日暑い中、何をしていますか。わたしは、ものづくりの盛んな静岡県内の工場を見学しています。きょうから紹介しますね!

 第一回は、鍵盤ハーモニカのメロディオンを製造販売している浜松市中区の鈴木楽器製作所です。ハーモニカや電子オルガン、リコーダーといった学校で使う教育楽器を中心に千種類を製造し、東南アジアや欧米にも輸出しています。案内してくれるのは総務部の神谷佳典さん(53)です。

◆0.08ミリの真剣勝負!

丁寧に組み立てられた鍵盤ハーモニカ「メロディオン」の検品作業=浜松市中区領家で

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 −メロディオンの名前の由来は何ですか?

 「メロディー」と「アコーディオン」を組み合わせた造語です。会社を創業した鈴木萬司(まんじ)会長(94)が考えました。鍵盤が三十四個ある初代モデル「スーパー34」は一九六一(昭和三十六)年の発売です。シリーズで十八種類、累計二千七百万台余りを販売しています。では早速、リードの製造工程を見てみましょう。

 −リードって何?

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 鍵盤の裏にあるT字形をした小さな弁で、息を吹き込むと一秒間に四百回以上も震えて音が鳴ります。メロディオンの音源であり、「命」なんです。長さや薄さによって音の高低が変わるので、一音ごとに少しずつ異なるリードが必要なんですよ。

 −何を材料に使っているの?

 青銅にリンを少し混ぜた金属です。長持ちします。最初に細長い帯状の板を熟練職人が長年の経験と勘を頼りに丸い機械を操って削っていきます。もともと〇・三ミリの厚みが削った後は、最も薄くて〇・〇八ミリになります。

 −とても繊細な技術なんですね。

 次に板を打ち抜いて、いくつもリードを作ります。それを長方形の窓が開いた真ちゅうのプレートに電気で溶接しています。この時、完全に窓をふさがず「アガリ」という隙間を作ります。これが空気の通り道になるんです。

 −音が聞こえてきました。あの機械は?

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 自社で開発した「自動調律機」です。より精度の高いリードを作るため空気を吹き込み、レーザーを当てて振動数を測り、削って微調整します。熟練職人と高性能機械が連携して仕上げていきます。

 −いよいよ組み立てですね。

 プラスチック製の本体に白黒の鍵盤を取り付けた後、裏側にリードプレートをねじ止めして、音階が合っているかを調律します。最後に人が実際に弾いてみて、耳でも確認します。工場では一日に千五百本ほどのメロディオンが作られているんですよ。

(瀬戸勝之、西山輝一、山田晃史が担当します)

 <メモ> 浜松市中区領家2の25の12。見学希望日の2週間前までに予約が必要。10〜40人の団体客を受け入れる。見学は無料。所要時間は1〜1時間半。浜松駅から遠鉄バスに乗り、領家郵便局で下車し徒歩2分。申し込みは鈴木楽器製作所=電053(461)2325=へ。

 

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