トップ > 静岡 > 静岡けいざい > インタビュー > 記事

ここから本文

静岡経済 インタビュー

2018年 こうみる ヤマハ・中田卓也社長

◆車に快適な音環境を

「車全体の音環境を良くする提案ができれば」と語るヤマハの中田卓也社長=浜松市中区で

写真

 ヤマハは昨年、創業百三十周年を迎えた。中田卓也社長は電気自動車(EV)の普及を見据えて、音が聞き取りやすい快適な車内環境を提案することなど、新たな需要を掘り起こす構想を語った。

 −楽器市場の動向は。

 「国内は横ばいの状態が続いているが、欧米はまだまだ堅調に伸びる。米国は人口が拡大していて市場は大きくなり、欧州は中、東欧の所得も上がっている。アジアも、もう少し豊かな生活を目指そうと、お客さんが増えてきた。インドの成長も著しく、われわれの市場は拡大している。中国は主力のアコースティックピアノに加え、電子ピアノやギターも伸びている」

 −東京五輪まで二年。

 「国内の業務用音響機器は需要が拡大している。ケアが必要なのは五輪後で、違う道筋をつけておくことが重要。例えばテレビ会議システムなど、音声技術の強みを生かしながらビジネスを大きくしていきたい」

 −車のEV化や自動運転への対応は。

 「移動をより快適にしたいという需要が出てくるだろう。大きな要素が空間内の音の制御。EV化でエンジン音がなくなっても、車には下からの振動や風切り音といったノイズ源がある。車全体の音環境を良くする提案ができれば」

 −本社の「イノベーションセンター」が春にも完成する。

 「豊岡事業所(磐田市)から研究開発チームが移り、ほとんどの開発が行われる。違う分野の専門家が議論することで、イノベーション(技術革新)を誘発させたい。展示施設の『イノベーションロード』は、歴史的なものから今やっていること、将来的なものを含めてヤマハのDNAを感じてもらえる内容にする」

 −ヤマハ発動機の株式を一部売却した。

 「投資家から、株の持ち合いと思われるようなことはやめようと。元々、対等に付き合っているが、株式保有数からはそうは見えないので調整した。今後は、お互いの良いものを使って事業がうまくいくことを積極的にやる。共に感動をキーワードとしており、全然違う会社と協業するよりは話も進みやすい」

 −働き方改革はどうか。

 「あえて『真の』働き方改革プロジェクトチームと組織を名付けた。上っ面の議論をしてもつまらない。自分たちの仕事の仕方を否定するくらいの事を考えていこうと、公募で改革に取り組みたい部門に手を挙げてもらっている。『誰も読まない資料を作らされているな…』と思うような事に対し、堂々と『無駄です』と言えるきっかけが必要。棚卸し、断捨離が大事だ」

 −ヤマハ音楽振興会理事長として、音楽教室から著作権料を徴収しようとする日本音楽著作権協会の方針をどう受け止めるか。

 「練習は聴かせることを目的としていない。解釈にかなり無理があると思う。根源的には、著作権法を国会議員が今の時代に合ったものにすべきだ。著作権を守るのは当然の義務。音楽の普及を考え、あるべき姿があるのではないか」

(聞き手・久下悠一郎)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索