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静岡経済 インタビュー

2018年 こうみる ヤマハ発動機・日高祥博社長

 電気自動車(EV)や人工知能(AI)、人手不足への対応など、各企業がさまざまな課題を抱える中で迎えた二〇一八年。国内外の経済展望を、県内企業などのトップに聞いた。

◆二輪とロボ技術融合

「転ばないバイクを実用化したい」と意欲を見せるヤマハ発動機の日高祥博社長=磐田市で

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 ヤマハ発動機の経営を一日付で引き継いだ日高祥博社長は、ロボティクス技術と二輪車を融合して「転ばないバイク」の研究開発に力を入れることや、数年内に売上高二兆円を達成する目標を掲げた。

 −世界経済と経営の見通しは。

 「欧州、日本の経済環境は底堅く、トランプ大統領の就任で当初は不透明感があった米国も減税などがポジティブに働く。新興国はアフリカ以外、良い状況と見込んでいる。富裕層の消費が活発なので、上期の雰囲気はいいのではないか」

 「ヤマハ発の主要事業は、二輪車や電動アシスト自転車などのモビリティ、ボートや船外機などのマリン、法人向け産業用ロボットなどのロボティクスに分けられる。既存事業の延長線で、(二〇一八年までの中期経営計画の目標に掲げた)売上高二兆円を数年以内に達成しなければならない」

 −次の売上高三兆円に向けては、どの事業に投資するのか。

 「全体の売上高一兆六千億円強のうちロボティクスは、まだ一千億円ほど。工場の省人化など多くの可能性があるので、三千億、五千億円と育てていく投資をしていかなければならない」

 −四輪車では電気自動車(EV)化の波が来ている。

 「現在、排気量五〇cc相当の電動バイク『イー・ビーノ』を販売しているが、スピードの遅さ、充電の面倒くささ、高い費用とお客さまにとって三重苦。個人的には二輪車の電動化がすぐに進むとは考えていない。ただ、インドや中国などで規制強化の動きがあり、開発は待ったなし。課題はバッテリー性能。トヨタ自動車とパナソニックなどが提携しているが、二輪車業界も忘れないでほしいと日本自動車工業会(自工会)を通してアピールしたい」

 −米ラスベガスの家電見本市「CES(セス)」に初めて出展した狙いは。

 「人工知能(AI)や自動運転、制御といった技術を研究開発しているものの、本社のある磐田市は外との接点が少ない。セスには世界中のベンチャーが見に来る。日本だけでなくグローバルな接点をつくることで、ヤマハ発の技術が実用化に向けてスピードを上げられるのではないかと期待して出展した」

 −二輪車の未来像は。

 「ロボティクスの技術と融合させる。一番分かりやすいのは転ばないバイク。昨年の東京モーターショーに出した電動二輪車のモトロイドは、AIで所有者を認識して低速で自立走行できるため、個人的にも欲しいと思っている。二輪車に乗る時、低速で転倒する立ちごけが一番悲しい。(低速時は最も不安定なので)ある程度スピードがいくまで二輪車が自立運転してくれれば、無駄な転倒事故は減ると思う。ホンダも研究しているため、技術陣には早期の実用化に向けてハッパを掛けている」

(聞き手・山田晃史)

 

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