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静岡経済 インタビュー

2017年 こうみる(6) 浜松信用金庫・御室健一郎理事長

◆総合生活サービス業へ

「地域貢献や顧客本位の経営をさらに進めていくことが求められる」と話す御室健一郎理事長=浜松市中区の浜松信用金庫本部で

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 浜松信用金庫は二〇一七年度から、新たな中期経営計画をスタートする。御室健一郎理事長は「『地方創生』の担い手として、地域の多様なニーズに応えたい。金融業という枠組みにとどまらず、総合生活サービス業を目指していく」と意欲を示した。

 −一六年度に始めた経営改革の進捗(しんちょく)状況は。

 「融資額などはこれまで、本部が全体目標を示して各支店に割り当てていたが、支店ごとの目標や達成のプロセスは自主的に考えてもらうようにした。経済が右肩上がりの時代は単にトップダウンの経営でよかった。低金利で資金の貸し出しで稼ぐ従来のビジネスモデルでは行き詰まる可能性が高い」

 「今後は地域貢献や顧客本位の経営をさらに進めていくことが求められる。『働き方改革』も重要なテーマだ。職員が地域活動により参加しやすいよう、IT導入で業務効率化を進めるとともに『ライフデザイン部』を新設して『ワーク・ライフ・バランス』の充実を目指している」

 −五カ年の新中期経営計画が始まる。

 「総合生活サービス業を目指し、コンサルタントや事業継承、資産運用など法人、個人客のあらゆるニーズに応えていく。営業店は地域コミュニティーの場にする。作品展示会やヨガ教室など趣味の活動に開放したい。これまでの店づくりは事務スペースが七、顧客に開放するロビーなどが三という構成だったが、新しい店舗はその比率を逆にしている」

 −人口減少に対する危機感も強い。

 「浜松市は八十万人の人口が二十五年後には六十七万人に減るという試算もある。今の収益環境が続くと仮定すると、純利益は数億円に目減りしてしまう。三十億〜四十億円ないと健全経営は維持できない。そのためには融資シェアを現在の30%前半から40%に高めていくことが必要で、より地域に深く根差した経営を意識しないといけない」

 −NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の放映が始まった。

 「浜松はものづくりの街だが、近年は製造業の海外生産シフトが加速していて産業構造の転換期を迎えている。観光や小売りなどサービス産業をしっかり育成しないと経済が疲弊してしまう。大河ドラマの放映は、この地域に真の『おもてなしの心』を育てていく絶好のチャンスだ」

 −創業支援の新たな取り組みは。

 「今年から米シリコンバレーのスタンフォード大アジア太平洋研究センターに職員一人を派遣する。期間は二年間で、毎年一人ずつを選抜して派遣していきたい。なぜシリコンバレーにハイテク産業やIT産業が集積し、多くの起業家が育つ都市へと発展していったのか。職員にはその背景や金融機関の創業支援のノウハウを学んでもらい、『第二の浜松ホトニクス』の誕生に貢献していきたい」

(聞き手・瀬戸勝之)

 

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