トップ > 静岡 > 静岡けいざい > インタビュー > 記事

ここから本文

静岡経済 インタビュー

2017年 こうみる(5) 河合楽器製作所・河合弘隆会長兼社長

◆「百年ブランド」確立へ

「この先の10年を見据えて新たな心構えで臨みたい」と語る河合弘隆会長兼社長=浜松市中区の河合楽器本社で

写真

 二〇一七年八月に創立九十周年を迎える河合楽器製作所。河合弘隆会長兼社長は新たに国際ピアノコンクールを創設したり、記念モデルのピアノを発売したりするとともに「百年ブランド」確立に向けた一つのステップとして、さらなる品質向上への意欲を示した。

 −創立九十周年になる。

 「創業者の河合小市が一九二七(昭和二)年に、河合楽器研究所を設立してから九十年になる。歴史と伝統を備えた世界の著名ブランドへの仲間入りを果たすべく、この先の十年を見据えて新たな心構えで臨みたい。『良いピアノをつくっている』というだけではだめだ。国際的評価が定着するまでには長い時間がかかる」

 −節目の年に関連した取り組みは。

 「グランドピアノの最高級モデル『Shigeru Kawai(シゲルカワイ)』の名を冠した国際ピアノコンクールを創設した。カワイ音楽コンクールが五十年を迎え、プロを目指す上位者を対象にした『Sコース』を独立させた。世界から多彩な才能が集う国際コンクールに育てたい。記念モデルのピアノも販売する」

 −お膝元の浜松市に新店舗を開設する。

 「JR浜松駅南に三月後半にオープンする。ミニコンサートが開けるホールを併設した『準旗艦店』との位置付けだ。国内外の人にカワイのピアノの魅力を発信する拠点にしたい」

 −中国市場の開拓に力を入れている。

 「ピアノ販売は順調で伸び代も大きい。中国楽器協会とは、一六年にピアノ調律事業で協力することで基本合意した。ピアノの普及が急速に進む一方、調律技術者不足が課題だ。研修や資格制度の運用を担う組織をことし共同で設立する」

 −欧米市場の見通しは。

 「想定外の事が多く先行きは不透明だ。米国経済は回復基調にあるが、ピアノ市場は良くない。中古品との競合が一因ではないか。トランプ政権が関税引き上げなど内向きな政策を進めるリスクもある。欧州は英国の欧州連合(EU)離脱やテロ問題があっても底堅かったが、陰りも見える」

 −海外の拠点網をてこ入れしている。

 「経営者の代替わりで販売力が落ちた代理店などを直営に切り替えている。米国はテキサス州ヒューストンに続いて、一七年はダラスにつくる。移民などに伴う人口増で成長が見込める地域だ。欧州はフランスのパリ近郊に拠点の開設を予定している」

 −資本業務提携したオンキヨー、学研ホールディングス(HD)との相乗効果は。

 「年内にオンキヨーの電子部品を組み込んだ電子ピアノの第一弾を発売する。オンキヨーは優れた音響技術を持っている。技術者同士の交流を積極的に進め、カワイの製品に取り入れていきたい。学研HDとは小学生や園児向けの教室事業で連携している。カワイはピアノ、学研HDは国語や算数などで補完し合っていて、生徒数減少に歯止めがかかった。今後成長が見込めるのは東南アジアなど新興国だ。海外展開でも協力できると考えている」

(聞き手・瀬戸勝之)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索