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静岡経済 インタビュー

2017年 こうみる(4) 浜松ホトニクス・晝馬明社長

◆大学と企業結ぶ態勢を

「大学から技術を企業に提供するようなシステムをつくりたい」と話す晝馬明社長=浜松市中区の浜松ホトニクス本社で

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 浜松ホトニクスの晝馬(ひるま)明社長は、浜松を世界的な光研究の先進地にする「浜松光宣言」の取り組みとして、大学と中小企業を結び付けて新たなイノベーションを起こす態勢づくりを始める考えを示した。

 −二〇一七年の展望は。

 「昨年は為替の影響が利益を押し下げたが、センサーや光源などの製品は医療機器や自動車の自動運転に使われるため、フィールドは拡大している。自動運転は近赤外光の領域で、ますます応用が広がる。その意味で、都田製作所に今年完成する化合物材料センターが重要になる」

 「米国でトランプ氏が大統領に就任し、どのような内向きな政策になるのか気になる。環太平洋連携協定(TPP)は業績には関係ないとみている。私たちの製品を使っている国内の自動車や医療機器メーカーにどのような影響があるのか注視したい」

 −好調な市場はどこか。

 「中国は昨年も20%近く伸びていて、今年も大切な市場になる。主力の医療機器、手荷物検査関連の製品は今後も伸びるとみている。中国経済が減速しているといわれているが、中国政府は自国メーカーを育てることに力を入れている。政策として研究開発に投資しているため、健康産業や環境産業でも期待できる」

 −研究開発は過去最大の百三十億円を投じる。

 「百四十〜百五十ほどの研究テーマがあり、研究は中央研究所、製品開発は各事業所でやっている。空間に立体的な映像を浮かび上がらせる新しいレーザー技術開発に取り組んでいて、二〇二六年に成果を出したい。この研究の過程で、ひょっとすると自動運転に使える技術が見つかるかもしれない。高い目標に至らなかったとしても、当初に想定していなかった用途などにも応用できるような柔軟な能力を社員には持ってほしい」

 −光産業創成大学院大などで取り組む起業支援はどうなっているのか。

 「上場こそないが、企業が育っていて、利益が出ているところもある。ハイリターンを狙って積極的な投資を行うベンチャーキャピタルファンドはお金を出すだけだったが、技術やマネジメントを支援するところが出てきている。私たちも投資してノウハウを得たいと思うし、大学院大学でもお金だけでなく技術とマネジメントの後押しができるようにしたい」

 −浜松光宣言に調印してから四年目を迎える。

 「一五年に静岡大浜松キャンパスに光創起イノベーション研究拠点ができ、昨年は世界中の若手経営者を舘山寺温泉に招いて交流し、好評を得た。まだ光研究の先進地というレベルに至っていないが、一歩ずつ前進している」

 「今年は次の段階に進み、大学と中小企業を結び付け、大きくはなくても地方でできるイノベーションを起こす態勢づくりに取り組む。地方の大学は今後の方向性に悩み、中小企業は製造拠点を海外に移す大企業について行けずに困っている。大学から技術を企業に提供するようなシステムをつくり、何か一つ成功例を出したい」

(聞き手・山田晃史)

 

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