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静岡経済 インタビュー

2017年 こうみる(1) ヤマハ・中田卓也社長

 英国の欧州連合(EU)離脱決定や米大統領選でトランプ氏が当選するなど、昨年は世界経済を揺るがす出来事が相次いだ。不透明な情勢が続く中、二〇一七年の国内外の経済をどう見るか、県内企業のトップに聞いた。

◆ブランド高める商品を

「2017年は臨機応変な対応が求められる」と話すヤマハの中田卓也社長=浜松市中区のヤマハ本社で

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 ヤマハの中田卓也社長は、個性的な新商品を市場に投入することによってブランド力を高め、収益力アップを目指す方針を語った。

 −二〇一七年の展望は。

 「臨機応変な対応が求められる。一六年も年初から円高が進み苦戦するかと思ったが、生産コスト削減や製品価格の改定などさまざまな経営努力で吸収した。一七年三月期は売上高の目標は厳しいが、筋肉質な体質に変えたことで増益は達成できそうだ」

 −楽器市場の見通しは。

 「中国はピアノの二桁成長が続いている。景気減速と言われるが教育投資は盛んで、学校関係の需要も底堅い。米国はギターが売れている。ピアノより市場規模が大きく、エレキギターの新シリーズ『レヴスター』やアンプなしで音響効果を付加できる『トランスアコースティックギター』など新商品でてこ入れする」

 「欧州は、英国の欧州連合(EU)離脱のダメージを懸念したが、堅調に推移するのではないか。新興国全般はまだら模様だ。インドネシアやロシアはいいが、中南米や中東などの資源国は回復が遅く、米利上げで通貨安が進めば不透明感が強まる。日本は横ばいだろう」

 −中期経営計画でブランド力向上を掲げている。

 「『なくてはならない、個性輝く企業になる』をテーマに掲げていて、個性が際立つ商品を出して収益力を高めたい。売上高営業利益率は一六年三月期は9・3%だったが、一九年三月期には12%を目指す。十年後は20%が目標だ」

 −「第三の柱」として部品・装置事業の基盤確立を目指している。

 「引き合いがあるのはハンズフリーの車載用通信機器だ。ノイズ除去などの静音技術も生かし、複数の自動車・部品メーカーから評価された。年内の受注を目指したい。インターネットの通信機能がある『コネクテッドカー』など次世代車の研究が進む中、車内の通信、音響環境を改善するニーズは高まってくる。ヤマハ発動機と得意な技術を持ち寄り、協業できるところはしていく」

 −音響機器事業をどうてこ入れするのか。

 「主力の楽器事業と同規模の売上高を目指している。業務用は好調で、レストランなど商業空間向けのほか、教会やモスク、クルーズ船など対象領域の拡大に努めている。海外は欧米や中国に加え、映画産業が盛んなインドも潜在需要が大きいはずだ」

 −東京五輪に向けた取り組みは。

 「訪日外国人の一層の増加が見込まれており、音声アナウンスを多言語に翻訳してスマートフォンに表示する『おもてなしガイド』は実証実験の成果を踏まえて年内の事業化を目指していく」

 「音楽講師の派遣や楽器の提供を通じて、地域コミュニティーの育成を支援する『音楽の街づくり事業(おとまち)』も推進したい。東京五輪に向けた『文化プログラム』に自治体や団体が認定されるよう支援していく」

 −M&A(企業の合併・買収)は視野にあるか。

 「常に念頭に置いている。中期経営計画でも三百億円の資金枠を設けた。将来の事業成長に有効活用したい。アドバルーンを上げておくことで、いろいろな話がもらえる」

(聞き手・瀬戸勝之)

 

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