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静岡経済 ヒットの系譜

木村飲料 カレーラムネ 

◆話題性狙い変わり種

カレーラムネや富士山ラムネなどの変わり種商品を手にする木村飲料の木村英文社長=島田市の本社で

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 カレー風味の「カレーラムネ」、お茶を加えた緑色の「しずおかコーラ」…。見た目もユニークな炭酸飲料を製造する木村飲料(島田市)は、大量生産とブランドネームでは到底かなわない大手メーカーの真逆を行く少量多品種の「へそ曲がり戦略」で、話題を呼ぶヒット商品を連発している。

 従来は大手飲料メーカーの下請けが中心だった。大手のヒット商品をまねて自社商品の開発もしていたが、宣伝力やブランド力の弱さから、あまり売れなかった。木村英文社長(57)は「百人のうち九十八人を相手に大量生産するのが大手。中小は残る二人をターゲットにしないといけない」と、インパクト重視の商品戦略を取ることにした。

 最初に注目されたのが二〇〇五年。受験生向けに原材料を神社で祈願してもらった「合格ダルマサイダー」だった。中小では十万本がヒットの目安とされる中、初年度で五十万本を売り上げた。

 「世の中にない商品なら売れる」と手応えを感じたと話す木村社長。〇六年には、ぴりっとした舌触りのする「わさびラムネ」を発売。ラムネは通常、夏場が売り上げの中心だが、わさびラムネは土産店や高速道路のサービスエリア(SA)などで静岡土産として年中、売れ行きが続いた。

 こうした手応えを基に、〇七年には念願だった「カレーラムネ」(ペットボトル入り二百五十ミリリットル、希望小売価格百五十円)を発売した。カレーが大好物という木村社長。小学校時代の給食のカレーの風味を再現したいと開発にいそしんだ。社員らは「まずくて売れるはずがない」と強硬に反対したが、「百人に二人が手に取ってくればいい」と押し切った。

 さすがに発売当初はそれほど売れなかったが、「変わった商品がある」とインターネット上で口コミが広がり、人気に火が付いた。これまでに累計で三百五十万本を売り上げるヒット商品にのし上がった。

 木村社長は「のどの渇きを潤す飲料というより、話題性のあるコミュニケーションツールになった」と、その要因を説明する。

 その後も、地元の島田市名産のバラにちなんだ「バラサイダー」、静岡茶を使った「しずおかコーラ」などのユニークな商品を相次いで発売。これまで生産の七割弱を占めた大手の下請けは約五割に下がり、残る自社商品のうち三割強が「変わり種商品」となった。

 今年二月には、富士山の天然水で仕込んだ「富士山頂コーラ」を発売。五月には、ラムネ瓶の高さが二十五センチと日本一高い「富士山ラムネ」を発売。富士山の世界文化遺産登録にちなんだ各量販店の「富士山フェア」のコーナーに欠かせない商品となり、売れ行きは好調という。

 木村社長は「小回りの利く中小メーカーにしかできない個性的な商品開発を強め、地域の活性化に貢献したい」と挑戦を続ける。

(矢野修平、写真も)

 

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