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新しい顕微鏡作りたい 静岡大工学部・川田教授

開発中のEXA顕微鏡について話す川田善正教授=浜松市中区の静岡大浜松キャンパスで

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 静岡大と中日新聞の連携講座「静岡大学の現在」が十一日、浜松市中区の静岡大浜松キャンパスで始まった。第一回は工学部長の川田善正教授が「ナノフォトニクス最前線〜レーザーが拓(ひら)くナノテクノロジー〜」と題して講演した。要旨は次の通り。

 光は電磁波の一つで、波として伝わる。「結像」は、ある物体がレンズを通し、反対側にあるスクリーンに映ること。顕微鏡で物体が大きく見えるのはこの原理を使っており、物体とレンズの位置を調整して拡大させているからだ。

 ただ、ある一点に光を当てて結像させ物体を見る場合、物理的に限界がある。なぜなら、レンズに光を集めた一点「集光スポット」の幅は、五百ナノメートル(ナノは十億分の一)より狭められない。そのため、原子や分子まで見られない。では、どうすればスポットを狭められるか。光の波長より小さな穴を開け、そこを通ってきた光で物体を見る方法がある。

 私たちが開発しているEXA(エクサ)顕微鏡は、光よりも小さいスポットをつくれる電子線を使っている。電子線は真空を保たないといけないが、電子線を光に変換する発光膜により、真空と大気圧(試料を置く側)を分離できる。この方式だと、大気圧や液中で自由に使える。また、光を使うメリットは、試料にダメージを与えないこと。試料の非破壊や非侵襲計測ができる。

 生物分野で非常によく使われる光学顕微鏡の技術と、タンパク質やミトコンドリアなどの小さい物まで見られる電子顕微鏡の技術を融合して、新しい顕微鏡を作りたい。医学・薬学、バイオ・ナノ分野で活用していきたい。

     ◇

 次回は十月九日午後六時から静岡大浜松キャンパスで。朴龍洙・グリーン科学技術研究所長が「カイコは素晴らしいバイオファクトリー」と題して講演する。

(飯田樹与)

 

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